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タイトル 全国初のダム撤去を、困難な条件下で計画を適宜見直しながら推進
施策・事業名称 荒瀬ダム撤去事業
都道府県名 熊本県
分野 環境
その他
内容 県営荒瀬ダムは、戦後間もない我が国の復興の時期に建設された発電専用ダムであったが、設置後約55年が経過し、発電所自体の施設・設備の老朽化、電力自由化に伴う設備更新費用の回収に対する懸念、さらには、地元住民のダム撤去の強い希望、加えて、中長期的な環境の視点などから、平成24年度にダム本体撤去工事に着手、その後6年の歳月をかけて平成30年3月に工事が完了した。

全国初の本格的ダム撤去事例であるため、「荒瀬ダム対策検討委員会」及び「ダム撤去工法専門部会」を設置し、治水や河川環境に配慮した「ダム撤去方針」を平成18年3月に策定した。また、平成22年に「荒瀬ダム撤去技術研究委員会」を設置し、これまでの検討結果を再検証のうえ、同年12月に「荒瀬ダム撤去計画」を策定した。

撤去資金不足も懸念されたが、ダム撤去に伴う道路嵩上げ等に対する社会資本整備総合交付金による国土交通省からの支援に加え、ダム撤去が生物多様性保全回復につながることから、環境省からも支援が得られることとなり、撤去資金についても概ね目途が立つに至った。

工事施工では、当初の撤去計画と異なる河川環境の中、より効率的な施工方法を検討。特に、門柱の撤去については、発破方法について試験発破を繰り返し、最適かつ有効な方法を検討した。その結果、門柱を横倒しにする倒壊発破の方法を採用することにより、効率的な施工が可能となり、出水期の施工ができない条件の下で6年間という限られた期間で工事を無事に完了することができた。

工事の実施に当たっては、工事着手前、施工中、施工後と環境モニタリング等を行い、より環境に配慮した工事を行うとともに、全国初のダム撤去事例として、後世に記録を残すために、「工事記録誌」及び「モニタリング調査報告書」を作成した。
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本件問合先 企業局工務課
096-333-2600
koumuka@pref.kumamoto.lg.jp