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タイトル | エゾシカの有効活用促進 〜エゾシカ肉処理施設認証制度・毎月第4火曜日「シカの日」の創設〜 |
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施策・事業名称 | エゾシカ有効活用促進事業 |
都道府県名 | 北海道 |
分野 | 環境 |
内容 |
1 背景 野生鳥獣による農林業被害などの社会問題が全国でも深刻化している中、北海道においてはエゾシカ対策推進条例に基づき、エゾシカの個体数管理を進めており、近年は推定生息数、農林業被害額ともに減少傾向にあるものの、令和2年度の同被害額は41億円と依然として高水準にある。 今後も捕獲対策を強化していく必要があるが、捕獲個体を地域資源として有効に活用していくことは、対策を進める上で重要なインセンティブであり、エゾシカの食肉活用の促進のため、衛生面などの安全確保や消費拡大のための施策を展開している。 2 具体的な取組内容 (1)エゾシカ肉処理施設の衛生管理に関する認証制度の導入・普及 北海道では、エゾシカを食肉利用する際の安全性確保のための基本的な指針として、平成18年に「エゾシカ衛生処理マニュアル」を策定し(平成27年4月改訂)、安全・安心の取組を推進している。 一方で、消費拡大を着実に推進するには、流通関係者等が持つ野生動物の衛生面に対する不安を解消することが不可欠である。 このため、衛生処理マニュアルの遵守や自主検査の実施、トレーサビリティ管理などを条件に、一般社団法人エゾシカ協会が優れた施設を認証する「エゾシカ肉認証制度」を創設し、エゾシカ肉全体のイメージアップや食肉販売店の拡大にも貢献した。(平成28年度末をもって、この制度は終了) なお、平成27年12月には衛生処理マニュアルの遵守、北海道HACCPに基づく衛生管理を行っていること及びトレーサビリティ管理などを条件とした新たな認証制度を北海道が創設し、平成28年10月から運用を開始し、令和3年度末までに16施設を認証した。 (2)「シカの日」創設と参加店登録制度による消費拡大策の強化 平成22年度にエゾシカ肉の食肉としての普及と道民の消費拡大を図るため、毎月第4火曜日を「シカの日」として設定し、エゾシカ肉を使用した飲食等のサービスを提供する店舗を登録する「『シカの日』参加店」登録制度を創設した。 令和3年度末には札幌圏を中心に全道で254店舗が登録し、各店が多彩なエゾシカ肉料理や商品を提供するとともに、のぼりの設置やパンフレット等による店頭啓発活動を展開し、エゾシカ肉の食肉としての認知度向上にも貢献している。 また、参加店には上記の認証施設で処理されたエゾシカ肉の使用を条件としたことから、創設前と比べると認証施設の年間取扱量が大きく増加し、道内の処理施設の間に認証取得促進の動きが起こるなど、波及・相乗効果が得られた。 (3)食体験機会の拡大 エゾシカ肉の常時販売を行う大手スーパーの店舗数が増加することにより、食体験機会の拡大に加え、エゾシカ肉の食品として理解し普及を加速することができた。 (4)環境教育としての出前講座の実施 平成24年度より、小学生から大人を対象に講義、クラフト製作、エゾシカ肉試食を組み合わせた出前講座を実施しており、令和3年度には4回、188人が参加し、エゾシカを取り巻く問題や有効活用について理解を深めた。 |
関連 ホームページ |
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/est |
本件問合先 | 環境生活部自然環境局野生動物対策課 |
011-204-5206 | |
kansei.ezoshika@pref.hokkaido.lg.jp |