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タイトル | とちぎ子どもの未来創造大学推進事業 |
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施策・事業名称 | とちぎ子どもの未来創造大学推進事業 |
都道府県名 | 栃木県 |
分野 |
教育・文化 行政改革分野(住民・事業者視点) |
事業実施期間 | 平成26年7月12日~ |
施策のポイント |
子どもたちの学力向上の基礎づくりのために、学校における学習に加えて、学ぶ意欲を高め主体的に学習に取り組む態度を涵養する必要があることから、県内の高等教育機関、民間企業等と連携しながら、子どもたちに「本物」に触れる学習機会を提供します。 また、広く活躍する「とちぎ未来大使」を講師とし、中学校時代の経験や目標をもち、その目標を達成した過程を講話や実演、交流等を通して中学生等に伝え、「夢」をもたせ、考えさせる機会を提供します。 |
内容 |
とちぎ子どもの未来創造大学 1 趣旨 「とちぎ子どもの未来創造大学」(以下「とちぎ子ども大学」)は平成26年度から実施しており、県内に居住又は県内の学校に通学する小学校4年生から中学校3年生(義務教育学校の相当学年、以下同じ)を対象とし、県内の高等教育機関、民間企業、県研究機関等(以下「各機関」)と連携しながら、子どもたちに、「本物」に触れる学習機会を提供しています。 2 広報等 とちぎ子ども大学の専用ホームページにより、1年間の講座の予定や講座の詳細等を紹介しています。また、事業の周知を図るため毎年6月上旬までに、各学校を通して県内の小学校4年生から中学校3年生の全ての児童生徒に対して案内リーフレットを配布しています。加えて、3月には年度のまとめとして学習成果報告書を作成し、県内の小学校4年生から中学校3年生の全クラスに配布し、次年度の講座参加を促しています。 3 申込みの方法 スタートアップ講座、「本物」体験講座(約150講座)、特別体験学習(5コース)、受講者交流学習の参加人数の合計は約3,400名(平成29年度)であり、電話やFAX、メール等で参加受付をするには業務量が膨大であり、作業も繁雑なことからミスも懸念されます。そのため、講座等の申込みに関しては、原則、インターネットでの申込システムである電子申請システムを使用しています。平成29年度は約6500件の申込みがありましたが、電子申請システムを使用することで、申請者が入力した名前や連絡先等を、直接データ化できるので、名簿がミスなく簡便に作成できます。また、申請者にとってもインターネットで申込みができるため、場所や時間にとらわれずに申し込むことができます。さらに、電子申請システムの機能を生かし、キャンセル、キャンセル待ちもリアルタイムに対応でき、一人でも多くの子どもに学習機会を提供するための一助となっています。講座の申込み件数が最も多い6月、7月は、5000件(平成29年度)の申込みがありましたが、名簿作成、キャンセルによる名簿変更の対応を一人の職員で行うことができ、省力化が図れています。 4 事業の構成 (1)スタートアップ講座(7月) 「本物」体験講座の開催に先立ち、とちぎ子ども大学に関するガイダンスと、現在活躍中の研究者等を招き、特別講座を開催します。 (2)「本物」体験講座(7月~12月) 各機関を会場として行う「現地講座」と各機関が身近にない子どもたちのために、県内各地の公民館等の施設に各機関の職員が出張して行う「出前講座」を実施しています。 平成26年度は「宇宙・天文」、「生物・医学」、「科学・実験」、「ロボット・ものづくり」の理系4コースを開設し、平成27年度からは、更に「文学・芸術」、「歴史・考古学」、「地理・社会」の文系3コース、「学び方」の1コースを開設し、全8コースとしました。 子どもたちは、コースの枠を越えて、何講座でも自由に選択して受講することができます。また、講座を受講すると1単位(単位シール1枚)が与えられ、最初の受講時に配布される「学びのパスポート」に単位シールを添付し、講座の記録をしていくことで、学習のあゆみを確認することができます。また、4単位取得する毎にステップアップシールが与えられ、学習の意欲が更に高まるようにしています。 (3)特別体験学習(1月) 各年度に4単位以上取得した子どもたちは、先端技術を有する研究施設等を見学する特別体験学習に参加することができ、通常では見られない施設を特別に見学するコースを設けています。 (4)受講者交流学習(2月) 受講者同士の交流を更に深めること目的とし、受講者による体験発表や、受講者同士で学んだ成果の共有を図るとともに、ふりかえりを行います。また、単位を多く取得した子どもたちを表彰しています。 平成26、27年度は、各講座のパネル展示、体験コーナーや特別講座を行いました。平成28、29年度は特別体験学習の報告、特別講座を行った後、子どもたち同士で将来の夢や目標と、それを達成するために頑張ることについて話し合い、保護者の前での発表を行いました。 5 平成29年度までの実績 (1)スタートアップ講座 a平成26年度 講師 宇宙飛行士 山崎 直子氏 受講者数: 667名 b平成27年度 講師 生物学者 長沼 毅氏 受講者数:393名 c平成28年度 講師 歴史研究家 多摩大学客員教授 河合 敦氏 受講者数:551名 d平成29年度 講師 東京大学名誉教授 養老 孟司氏 受講者数:599名 (2)「本物」体験講座 a平成26年度 現地講座:23機関、63講座、受講者数:1,117名 出前講座: 5機関、18講座(7地区)、受講者数:378名 b平成27年度 現地講座:50機関、103講座、受講者数:1,777名 出前講座:14機関、26講座(7地区)、受講者数:529名 c平成28年度 現地講座:47機関、118講座、受講者数:2,003名 出前講座: 11機関、25講座(7地区)、受講者数:529名 d平成29年度 現地講座:47機関、118講座、受講者数:2,109名 出前講座: 14機関、30講座(7地区)、受講者数:530名 (3)特別体験学習 a平成26年度 つくばコース(JAXA(筑波宇宙センター)、KEK(高エネルギー加速器研究機構))、お台場コース(日本科学未来館)、県内コース(栃木県立博物館)の3コースを実施 全受講者数:102名 b平成27年度 つくばコース(JAXA、KEK)、上野コース(東京国立博物館)、お台場コース(日本科学未来館)、県内コース(栃木県立博物館)の4コースを実施 全受講者数:140名 c平成28年度 つくばコース(JAXA、KEK)、埼玉コース(埼玉県立さきたま史跡の博物館、埼玉県環境科学国際センター、造幣局さいたま支局)、上野東博コース(東京国立博物館)、上野科博コース(国立科学博物館)、 県内コース(栃木県立博物館)の5コースを実施 全受講者数:137名 d平成29年度 つくばコース(JAXA、KEK)、茨城コース(茨城空港、国土地理院 地図と測量の科学館)、上野東博コース(東京国立博物館)、上野科博コース(国立科学博物館)、県内コース(栃木県立博物館)の5コースを実施 全受講者数:126名 (4)受講者交流学習 a平成26年度 最多単位取得者及び10単位以上取得者の表彰(計18名) 各講座のパネル展示、体験コーナー 特別講座:演題「『発明王エジソンの秘密』なぜたくさんの発明を生み出すことができたのだろう」 講師 おもちゃのまちバンダイミュージアム 金井 正雄氏 参加者数:73名 b平成27年度 最多単位取得者及び20単位以上取得者の表彰(計9名) 各講座のパネル展示、体験コーナー 特別講座:演題「ふしぎ大陸南極-その自然と観測活動-」 講師 国立極地研究所 生物圏研究グループ 伊村 智氏 参加者数:78名 c平成28年度 最多単位取得者及び20単位以上取得者の表彰(計10名) 特別体験学習感想発表 特別講座:「『みちびき2号機』打ち上げカウントダウン映像を作って打ち上げを盛り上げよう」 講師 栃木県子ども総合科学館 室岡 久男氏 ワークショップ:仲間たちと1年間の学びの成果をふりかえろう 参加者数:55名 d平成29年度 最多単位取得者及び20単位以上取得者の表彰(計4名) 特別体験学習感想発表 特別講座:「からだのふしぎ おもしろ からだ じっけん」 講師 栃木県教育委員会事務局生涯学習課 茂木 幹雄 社会教育主事 ワークショップ:仲間たちと1年間の学びの成果をふりかえろう 参加者数:46名 6 平成30年度の予定 (1) スタートアップ講座 平成30年度のガイダンス及び吉村 作治氏の特別講座を実施します。 日時 平成30年7月8日(日曜日) 13時~15時30分 場所 栃木県総合文化センター メインホール 定員 1,500名(保護者含、先着順) 特別講座:演題「ハイテクで探るピラミッドの謎~古代エジプト文明の魅力を交えて~」 講師 東日本国際大学学長吉村 作治氏 (2) 「本物」体験講座(7月~12月) 「宇宙・天文」、「生物・医学」、「科学・実験」、「ロボット・ものづくり」の理系4コース、「文学・芸術」、「歴史・考古学」、「地理・社会」の文系3コース、「学び方」の1コース、全8コースを行います。 現地講座 60機関、130講座予定 出前講座 18機関、30講座予定 (3) 特別体験学習(1月) 理系2コース、文系2コース、全4コースを予定しています。 (4) 受講者交流学習 受講者による体験発表や、ふりかえり、講座を数多く受けた子どもたちの表彰を行います。 日時 平成31年2月10日(日曜日) 13時30分~16時 場所 栃木県子ども総合科学館 定員 なし 内容 調整中 7 成果について 各講座の受講者アンケートでは、63%の受講者が「他の講座に申し込んで、もっと勉強したいと思った。」と回答しており、学習意欲の高まりが見られます。受講者交流学習のアンケートの回答では、「他の生き物から、人間に役立つ物質などを見つけ、それについて研究し人類の発展に生かしたいので、生物の研究者になりたい。そのため、疑問をたくさん考えて、その疑問について納得がいくまで調べている。」、「自分で記事を書いて、いろいろな人に真実を伝えたいので、新聞記者になりたい。今は、主語と述語を考えて、しっかりとした文章を書くように気を付けている。」など、将来を考えつつ、課題を解決しようとする態度の醸成も見られます。 とちぎ未来大使「夢」講座 1 趣旨 県内外で活躍している方で、栃木県に深い愛着を持ち、とちぎの魅力・実力の対外的な情報発信を積極的に行ってくれる方に、栃木県知事が「とちぎ未来大使」を委嘱しています。「とちぎ未来大使『夢』講座」は平成28年度から実施しており、「とちぎ未来大使」を講師として、中学校を会場に、「とちぎ未来大使」の中学校時代の経験や、目標を達成した道のりを講話や実演を通して中学生に教えていただきます。そして、中学生に将来の「夢」を考える機会をつくる取組です。 2 事業の構成 原則として県内の公立中学校を会場とし、県内の7地区でそれぞれの学校や地域に縁のある講師を選定し、講座を実施します。講座では講演だけではなく、歌唱や演奏、実技指導やグループ学習など「とちぎ未来大使」の得意なものを生かしたプログラムを行います。 3 平成29年度までの実績 a平成28年度 12名の「とちぎ未来大使」を講師として招き、13中学校で「とちぎ未来大使『夢』講座」を行いました。参加生徒は全体で2,268名でした。 b平成29年度 16名の「とちぎ未来大使」を講師として招き、19中学校で「とちぎ未来大使『夢』講座」を行いました。参加生徒は全体で3,362名でした。 4 平成30年度の予定 21中学校で「とちぎ未来大使『夢』講座」を行う予定です。 5 成果について 実施後のアンケートでは、受講者の95.9%が「「夢」をもつ大切さを感じた」と回答しています。また、自由記述では、「夢を簡単にあきらめるのではなく、最後まで自分の夢を探求し続けることが大切だと思いました。自分の夢をかなえるために、最後までがんばりたいです。」、「まだ、将来の夢が決まっていないけれど、今自分のやることを精一杯やることが大事なことだと思うので、努力を続け、将来の夢が決まった時には、実現できるようにしたいです。」など、夢をもっている受講者だけでなく、もっていなかった受講者も自分の夢の実現に向けて前向きな気持ちをもつ様子が見られました。 |
関連 ホームページ |
https://www.tochigi-edu.ed.jp/rainbow-net/kodomo-daigaku |
本件問合先 | 栃木県教育委員会事務局生涯学習課 |
028-623-3408 | |
syougai-gakusyuu@pref.tochigi.lg.jp |