政策個表

タイトル ~「清流」を活かす~ 農業水利施設を活用した小水力発電の導入
施策・事業名称 農業水利施設を活用した小水力発電の導入促進
都道府県名 岐阜県 本件問合先 農政部農地整備課
分野 農林水産 058-272-1111
c11431@pref.gifu.lg.jp
内容 1 趣旨
CO2削減・地域温暖化防止の気運の高まりや、東日本大震災をきっかけに、再生可能エネルギーの活用への期待が高まっている。
また、農村地域では過疎化・高齢化に伴い、土地改良施設等の管理費にかかる農家負担の増加といった課題が発生している。
こうした課題を解決する手段の一つとして、本県の清流の恵みを活かし、地域資源である農業用水の「エネルギー」を活用して小水力発電を行い、発電した電力や売電収益を土地改良施設の維持管理費などに充てることで、農業経営の安定化や農村振興、CO2排出量の削減を図る。



2 取組内容
(1)可能地の把握(H23~H24)
県内の農業水利施設による発電賦存量を知るため、小水力発電可能地調査を実施した。
・調査箇所:680箇所 ⇒ 可能地(出力1kW以上):160箇所
平成30年度には、可能地の中から新規取水等によるさらなる発電量の増加等について検討を行った。

(2)普及啓発(H23~H25)
小水力発電への関心・理解を深めていくため、普及啓発を目的とした簡易な小水力発電施設(出力数十~数百W程度)の設置に対する支援を実施した。
・支援実績:13箇所(所期の目標を達成したので、事業は廃止)

(3)農業水利施設を活用した小水力発電の概略計画・基本設計・施設整備
○県営農村環境整備事業(公共)(H23~)
売電収益を活用して土地改良施設等の維持管理費軽減を図るため、数十~数百kW規模の小水力発電施設の整備を進めている。
(農林水産省の助成事業(地域用水環境整備事業など)を活用)
・平成26年2月には、県営施工による農業用水を活用した小水力発電所としては東海3県で初となる「加子母清流発電所」(中津川市)が稼働を開始
・平成27年6月に、「石徹白清流発電所」(郡上市)が稼働を開始
・平成29年12月に、「石神用水清流発電所」(飛騨市)が稼働を開始
・平成30年3月に、「阿多岐清流発電所」(郡上市)、「宮地清流発電所」(池田町)が稼働を開始
・平成30年12月に、「板取川清流発電所」(関市)が稼働を開始
・平成31年4月に、「飛鳥川用水清流発電所」(揖斐川町)が稼働を開始
・令和2年3月に、「恵那・鎌瀬清流発電所」(恵那市)が稼働を開始
・令和2年5月に、「干田野清流発電所」(郡上市)が稼働を開始
・令和2年5月に、「気良布平清流発電所」(郡上市)が稼働を開始
・令和2年6月に、「荘川清流発電所」(高山市)が稼働を開始

○小水力発電施設整備事業(県営県単)(H24~)
日本一の包蔵水力を誇る「清流の国ぎふ」ならではの発電ポテンシャルを最大限活用可能とし、売電収益を地域振興施設の電気代や農村振興に資する活動費にも充当可能とする県単制度を創設した。
・平成29年4月に、「下辻南清流発電所」「諸家清流発電所」(揖斐川町)が稼働を開始
・平成30年3月に、「名倉清流発電所」(揖斐川町)が稼働を開始
・平成30年12月に、「戸ヶ野用水清流発電所」(白川村)が稼働を開始

○小水力発電防災機能強化事業(県営県単)(H24~H25)
農業水利施設を活用し、災害時の避難所となる施設に非常用電源として電力供給するために必要な小水力発電施設及び蓄電施設の整備を実施した。
・導入実績:7箇所

所期の目標を達成したので、事業は廃止

(4)市町村・地域団体等が行う小水力発電施設の設置に対する助成
○小水力発電活用支援事業(県単補助) (H26~)
市町村、土地改良区、農業協同組合などの地域自らが小水力発電による電力や売電収益を多様な用途に活用し、地域農業の振興や農村生活環境の改善を図るために実施する施設整備への支援制度を創設した。
・平成28年6月に、「石徹白万場清流発電所」(郡上市)が稼働を開始
・平成29年9月に、「JAひだ・数河清流発電所」(飛騨市)が稼働を開始

○小水力発電による環境保全推進事業(H29~R3)
「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用して、市町村、地域団体等が身近な水路等に水力発電施設を設置し、あわせて環境保全学習等を実施することを通じ、環境負荷の低い再生エネルギーシステムの普及・啓発を図る制度を創設した。令和元年度からは、既存施設の改修も対象とするなど制度拡充を行い、小水力発電を用いた環境保全学習等の支援を行う。
・平成29年度に、「福地温泉ECOエネルギー委員会」が高山市奥飛騨温泉郷福地で実施
(最大出力0.2kWの水車を設置し、地元小学生へ環境保全学習を実施)
・令和2年度に、「上神原まちづくり委員会」が揖斐川町谷汲神原で実施
(最大出力0.2kWの水車を設置し、地元住民・子供会へ環境保全学習を実施)
・令和2年度に、「小川ふるさとづくり委員会」が郡上市明宝小川で実施
(最大出力0.15kWの水車を設置し、地元住民へ環境保全学習を実施)
・令和3年度に、「下呂市」が下呂市小坂町赤沼田で実施
(最大出力0.002kWの水車を設置し、地元自治会、消防団、道の駅職員へ環境保全学習を実施)
・令和3年度に「萩原町川西北部土地改良区」が下呂市萩原町尾崎で実施
(最大出力0.0024kWの水車を設置し、地元自治会、小学生へ環境保全学習を実施)
・令和3年度に「諸家自治会」が揖斐川町坂内坂本諸家で実施中
(最大出力0.2kWの水車を設置し、地元住民へ環境保全学習を実施予定)

本事業はR3までで廃止とし、事業内容を変更し、既存の小水力発電施設を活用した環境教育の支援を行う事業を実施する。

○小水力発電施設環境教育推進事業(R4~R9)
身近な地域資源を活用して環境教育を実施することを通じ、「脱炭素社会ぎふ」を支える人づくりを推進する制度を創設した。農業水利施設等に設置された小水力発電施設を活用し、環境教育を実施する地域団体等を支援する。


(5)コスト縮減(H24~H26)
産・学・官で構成する「岐阜県農業用水小水力発電導入技術検討会」を設立し、設置期間3年間で基本設計を行なう8箇所において設備投資を抑えるための技術検討を実施したほか、最新技術、先進事例の情報収集などを行なった。

(6)施設管理者の技術力向上
岐阜県土地改良事業団体連合会が事務局となり、小水力発電に関する調査研究や研修会の実施、施策提案や要請活動などの事業を行う、岐阜県農業用水利活用小水力発電推進協議会を平成23年12月に設立した。平成26年度から平成30年度にかけては農林水産省の支援を受けて活動の拡充を図り、技術力向上のための研修会や専門技術者派遣による現地指導の取り組みを実施した。令和元年度からは、農林水産省の助成制度廃止に伴い、県単制度の小水力発電活用支援事業を拡充(協議会支援型を創設)し、発電施設の維持管理や運営に関する研修会、専門技術者派遣による技術指導に取り組んでいる。
加子母清流発電所
加子母清流発電所
加子母清流発電所(発電機)
加子母清流発電所(発電機)
「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用した取組
「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用した取組