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タイトル | 千年の草原を未来へつなぐ~阿蘇草原再生~ |
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施策・事業名称 | 阿蘇草原再生事業 |
都道府県名 | 熊本県 |
分野 | 地域振興・まちづくり |
施策のポイント |
・阿蘇の草原を守り、磨き上げ、次世代へ継承する取組みを加速化させるため、大規模野焼きの再開など取組みを推進するとともに、それを支える安定的な財源手当策「阿蘇草原保全支援システム」を構築した。(平成27年2月) ・阿蘇市、環境省、(公財)阿蘇グリーンストック、牧野組合等と連携し、阿蘇の草原のシンボルである草千里ヶ浜で半世紀ぶりに野焼きを再開した。(平成28年2月) |
内容 |
1 本県における取組み ・阿蘇の草原は、平安時代の法律「延喜式」の中でその存在が歴史的に確認されており、千年以上前から続く阿蘇地域の人々の生活の営みが形成した「悠久の宝」であるといえる。 ・しかし、阿蘇の草原は近年、草原再生の担い手の高齢化、後継者不足により、放棄地面積が年々拡大する厳しい状況にある。このような状況を踏まえ、県では「あそ草原再生ビジョン(H25.7)」や「かばしまイニシアティブNEXT(H25.8)」を掲げ、官民一体で草原を次世代へ継承する道筋をつけるために草原保全・再生の新たな仕組みづくりに繋がる先導的な取組みを推進している。 2 事業内容 (1) 「阿蘇草原保全支援システム」の構築 ・これまで草原を維持するための財源については、多くを草原再生募金に頼らざるを得ない状況であった。しかし、募金は一時的な財源であり、将来に渡って継続的に阿蘇草原再生に取り組んでいくため、恒久的な財源の仕組みを構築する必要があった。 ・また、草原再生の担い手不足等により、草原維持に係る人材についてもボランティアに大きく依存している状況であり、継続的なボランティアの確保が必要であった。 ・このような状況を踏まえ、県が主導し、地元首長や国の関係機関等の協力のもと、将来に渡って阿蘇草原再生の取組みを継続していくための恒久的な財源の仕組みを平成26年度構築。そのシステムを運用していくための連絡会を平成27年度立ち上げ、事業計画、進捗状況の管理、事業検証を協議するとともに、システムに位置づけた野焼きボランティア研修や普及啓発等について、地元市町村、(公財)阿蘇グリーンストック、(公財)阿蘇地域振興デザインセンター等が主体的に取り組む道筋をつけた。 (2) 半世紀ぶりに草千里の野焼きを再開 ・阿蘇を代表する観光地である草千里では、放牧牛が草を食むことで草原景観が維持されていた。しかし、平成22年に隣県で発生した口蹄疫をきっかけに、多くの観光客が立ち入る草千里での放牧を自粛したことにより、草原の一部が低木化するなど景観が損なわれ始めていた。 ・県の最も重要な観光資源であるとともに草原景観の象徴である草千里の荒廃を防ぐため、県の主導により阿蘇市、環境省、(公財)阿蘇グリーンストック及び地元牧野組合等と連携し、官民一体の「草千里野焼き実行委員会」を結成。平成28年2月27日に草千里の約30haで半世紀ぶりとなる野焼きを同実行委員会で実施した。 ・今後は、阿蘇の草原のシンボルである草千里の野焼きの実現を契機に、草原再生への機運を高め、世界文化遺産登録に向けた草原再生の取組みの加速化を図っていく。 |
本件問合先 | 熊本県企画振興部地域・文化振興局地域振興課 |
096-333-2137 | |
chiikishinkou@pref.kumamoto.lg.jp |