政策個表

タイトル やまがた森林(モリ)ノミクスの推進
施策・事業名称 地域の豊かな森林資源を「森のエネルギー」「森の恵み」として活かし、産業の振興や地域の活性化につなげていく取組み
都道府県名 山形県 本件問合先 農林水産部 森林ノミクス推進課 林業振興担当
分野 農林水産 023-630-3367
ymorimiku@pref.yamagata.jp
内容 【背景・目的】
「やまがた森林(モリ)ノミクス」は、平成25年11月、知事と県内全市町村長が参画して「やまがた里山サミット」を設立し、地域の豊かな森林資源を「森のエネルギー」「森の恵み」として活かし、林業振興と地域活性化につなげていく「やまがた森林(モリ)ノミクス宣言」を行いスタートした取組みである。
やまがた森林(モリ)ノミクスは、本県が全国で初めて提唱したものであり、先人から受け継いだ豊かな森林資源を余すことなく活用することで、林業の振興を図り、関連産業や雇用創出への経済効果を生み出して、地域全体の活性化につなげていく『緑の循環システム』を構築することを目的としている。
平成27年10月に策定した「やまがた創生総合戦略」においても、「やまがた森林(モリ)ノミクスの推進」を本県の特性を最大限に活かしてやまがた創生をけん引する「挑みの八策」の一つに位置付け、重点施策として展開していくこととしている。

【平成28年度の取組み概要】
森林(モリ)ノミクスを巡る動きとしては、県内初の大型集成材工場が平成28年秋に操業を開始するほか、各地域で木質バイオマス発電施設の整備が進んでおり、このような木材需要の拡大に対応するため、県産木材の生産量を平成26年の32万㎥から平成31年には57万㎥まで増大する目標を掲げて施策を展開している。
森林(モリ)ノミクスを推進するためには、木を植え、育て、収穫する「川上」、製材工場などで加工する「川中」、公共建築物や住宅・一般建築物、または木質バイオマスによる熱や発電利用などで利用する「川下」までの取組みを一層推進するとともに、森林(モリ)ノミクスを支える人材育成や森林(モリ)ノミクスに関する情報を県内外に発信する取組みも併せて実施していくこととしている。

◎ 森林(モリ)ノミクスを進めるための具体的な取組み
1 林業の生産基盤づくりの推進
増大する木材需要に対応するため、路網整備と高性能林業機械の導入を支援し、森林境界の明確化を進めながら計画的な間伐や主伐・再造林を推進している。
特に、市町村が新たに林道を開設する場合、平成28年度から県の補助率を7%から15%に引き上げて、市町村の財政負担を軽減することで、路網整備の加速化を図っている。
また、県産木材の需要増加に伴い主伐の増加が見込まれることから、主伐後の再造林を推進するため、やまがた緑環境税を活用して県の嵩上げ補助率を10%から12%に引き上げ、国庫補助事業を活用した場合、補助率は80%となる。
2 県産木材の安定供給の推進
県産木材の需給情報を一元化し需給調整を図る組織として、平成28年4月、県森林組合連合会、県木材産業協同組合など県内の林業関係団体が参画して「山形県原木流通協議会」が設立された。
県では協議会の運営を支援するとともに、協議会と連携を図りながら県産木材の需要拡大に対応した流通体制の構築を図っていくこととしている。
3 大型集成材工場の稼働
現在、新庄市内に大型集成材工場の整備が進められ、平成28年秋から試験稼働が始まり、来年度から本格的な集成材の生産が開始される。年間12万㎥の原木が消費され、約60名の雇用が計画されている。
4 木質バイオマスの利活用の推進
鶴岡市の木質バイオマス発電施設が平成28年2月から本格稼働を始めており、この施設では年間3万8千トンの木質燃料が利用され計画となっている。他にも県内各地で木質バイオマス発電施設の計画が進められており、木材の需要が確実に増加することが見込まれている。
また、鶴岡市の木質バイオマス発電施設に導入した「木質チップ圧縮脱水装置」は、企業と大学教授が連携し世界で初めて開発した木質チップの燃料効率を高める設備で、林業と工業が連携した「林工連携」による取組みとなっている。
5 県産木材の利用拡大
県産木材の新たな用途として、スギの圧密加工による家具への利用や、高層建築物の木造化を可能とする耐火構造部材の開発などのイノベーションが県内企業から始まっている。今後は、このような「林工連携」の取組みを一層推進していく必要がある。
※ 耐火構造部材を活用して建築された南陽市文化会館では、世界最大の木造コンサートホールとしてギネス認定を受けた。
6 山菜・きのこ等の産地化に向けた取組み
平成27年5月、本県で全国山菜サミットを開催し、県内外に山菜の魅力を発信した。これを契機として、平成28年度からは、新規に「やまがた山菜・きのこ日本一産地化プロジェクト」をスタートして、プロジェクト会議を立ち上げブランド化戦略を策定するとともに、それに基づき生産拡大から流通・販売促進を図っていくこととしている。
7 県立農業(林)大学校への林業経営学科の設置と支援体制
森林(モリ)ノミクスを支える担い手となる人材を育成するため、平成28年4月から、従来の県立農業大学校を農林大学校と名称を変更して、新たに林業経営学科を設置した。林業を学ぶことができる専修学校としては全国7番目で、初年度は15名が入校した。
また、林業経営学科の運営を支援するため、林業・木材関係機関・団体、林業事業体、木材加工業者、教育機関、行政機関等で構成するコンソーシアム体制を新たに整備することとしている。
8 林業・木材産業を支える人材の育成
平成28年度から、林業木材産業振興の中核的な役割を担う若手も林業者を「青年林業士」として認定する制度をスタートさせる。「青年林業士」には、県立農林大学校の林業経営学科学生のサポートも担ってもらうこととしている。
また、林業事業体等の現場技術者を育成する制度で、現場作業を管理し生産性を向上させる「フォレストリーダー」を増やすために、新たに平成28年度からフォレストリーダーの養成研修会を本県でも開催(全国で12か所)することとしている。
9 全国森林(モリ)ノミクスサミットの開催
森林(モリ)ノミクスの取組みを全国に発信するため、平成27年11月、山形市内で「第1回全国森林(モリ)ノミクスサミットin山形」を開催した。平成28年度も本県を会場に「第2回全国森林(モリ)ノミクスサミット」を開催する予定である。
10 有志18道県による施策提案活動の実施
平成28年3月、森林・林業関連産業の成長を目指して、森林(モリ)ノミクスで地方創生につなげていこうと本県が呼びかけ、農林水産大臣をはじめ、関係省庁を訪問し、「日本の森を再生させる有志18道県から政策提言」とする提案活動を行った。
11 森林(モリ)ノミクスに関する条例制定の検討
森林(モリ)ノミクスの推進について、幅広い分野の方々から御意見を伺う「やまがた森林(モリ)ノミクス推進懇話会」を平成28年3月に立ち上げ、平成28年度中の条例制定に向けて検討を進めていくこととしている。
12 東北森林管理局との森林(モリ)ノミクスの推進に関する連携
やまがた森林(モリ)ノミクスを推進するためには、本県の森林面積の約半分を所有する国有林との連携が不可欠なことから、平成28年4月、知事と東北森林管理局長による「やまがた森林(モリ)ノミクスの推進に関する覚書」を、県産木材の需要拡大と安定供給の促進や県立農林大学校林業経営学科の運営に対する支援など6項目について覚書を締結した。
13 オーストリアの林業先進地域の調査・研究及び交流
平成27年10月、知事をはじめ県の幹部職員等がオーストリアを訪問し、木質バイオマスエネルギー利用による循環型社会のシステムや林業分野の人材育成システムなど、森林資源を活用して地域の活性化につなげている先進的な取組みを調査した。
また、やまがた森林(モリ)ノミクス推進懇話会の委員として、オーストリア大使館上席商務官のルイジ・フィノキアーロさんに就任いただき、指導・助言をお願いしている。