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タイトル | 港の砂堆積と海岸侵食の同時対策「福田漁港・浅羽海岸サンドバイパスシステム」 |
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施策・事業名称 | 港の砂堆積と海岸侵食の同時対策「福田漁港・浅羽海岸サンドバイパスシステム」 |
都道府県名 | 静岡県 |
分野 | 環境 |
内容 |
1 概 要 福田漁港は、荒波強い遠州灘の海岸線で唯一の港であり、東西をつなぐ海上の要所として、また避難港として発展してきた漁港です。太田川河口に立地し、全国的な課題である沿岸漂砂による港口の土砂堆積により船舶の往来に支障をきたす事態が発生していました。一方、河川からの土砂供給量が大きく減少して遠州灘沿岸の砂浜で侵食が進み、さらに、防波堤等の影響により漁港東側に位置する浅羽海岸の侵食が顕著となっていました。 そこで、福田漁港の「港口埋没対策」と浅羽海岸の「侵食防止対策」を同時に解決するため、日本初の試みとして、大型ポンプと約2kmのパイプラインにより、漁港周辺に堆積した土砂を浅羽海岸へ圧送する『福田漁港・浅羽海岸サンドバイパスシステム』事業を実施しました。 今回、採用した方式は、港口付近の堆積土砂をポンプで吸い上げ、パイプラインで侵食海岸へ圧送する「固定式ジェットポンプによるパイプライン輸送方式」と呼ばれるものです。当方式は、経済性や環境保全の観点から優れ、オーストラリアでは20年以上の実績がありますが、国内では初となる施設です。このパイプライン輸送方式は、機械設備等の初期投資がかかるものの、浚渫船やダンプ運搬に比べて浚渫・輸送コストがかなり安価であることから、50年間の更新費や維持管理費を含めたライフサイクルコストを大幅に低減することが期待できます。 2 経 緯 国内初の施設であることから、システムの導入にあたり、平成15年から検討委員会(委員長:東京大学大学院磯部雅彦教授(当時))を開催し、サンドバイパスの有効性、基本条件となる採取量、採取・放出位置、採取時期、工法(システム)等について検討のうえ、「固定式ジェットポンプによるパイプライン輸送方式」に決定し、平成19年度から工事に着手し、平成26年3月に工事が完了しています。 地元漁業関係者からは、港口での砂の堆積が少なくなり、出漁時の安心が増したことで実際に出漁の機会が増大しているとの声をいただいています。また、定期的な深浅測量結果から、侵食傾向であった浅羽海岸の砂収支バランスがとれつつあります。 |
関連 ホームページ |
http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-430/040427html/sandobaipasu.html |
http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki/fukuroi/works/seashore/ | |
本件問合先 | 交通基盤部港湾局漁港整備課 |
054-221-2616 | |
gyokou@pref.shizuoka.lg.jp |