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タイトル デザインのチカラで県産木材によるリノベーションの推進!
施策・事業名称 さがつく木のインテリアデザイン創出事業
都道府県名 佐賀県
分野 農林水産
事業実施期間 平成28年4月1日~平成31年3月31日
施策のポイント ◎ 林業の振興を図るためには、主伐(収穫)~植林~保育~そしてまた主伐といったサイクルを回し、その森林森林資源の循環利用から生産される木材を適切に利用するとともに、木材の利用拡大を図ることが必要である。

○ しかしながら、県民へ県産木材の利用についてPRが不足していたり、デザイン性の高い木造建築物を提案する人材が不足していることから、県産木材の利用が進んでいない状況である。

○ このため、著名なデザイナーのデザイン力を活用して、県民が利用する商業スペースや公共施設等を「木のインテリア(家具を含めた内装空間)」によりモデル的にリノベーションを行い、県産木材を利用したデザイン力を磨き上げ、付加価値向上を図る。
内容 (目的)
◎ 著名なデザイナーのデザイン力を活用して、県民が利用する商業スペースや公共施設等を「木のインテリア(家具を含めた内装空間)」によりモデル的にリノベーションを行い、県産木材の付加価値向上を図る。

(きっかけ/背景)
◎ 林業の振興を図るためには、主伐(収穫)~植林~保育~そしてまた主伐といったサイクル(森林資源の循環利用)を回し、その森林から生産される木材を適切に利用するとともに、木材の利用拡大を図ることが必要。

◎ これまでは、県民に対し県産木材の利用についてPRが不足していたり、デザイン性の高い木造建築物を提案する人材が不足していることから、県産木材の利用が進んでいない状況。

(事業の仕組み)
◎ 県は、県内の大工・工務店が取り扱っている商業スペース等のリノベーション物件の中から、展示効果が高いものを選定し、著名なデザイナー監修のもと「木のインテリア」の設計・監理を行う。(建築費については施工主負担)

◎ 著名なデザイナーと県内の川上~川下の関係者(素材生産業、製材業、設計士、大工・工務店、建具・家具製造業者)のグループによるワークショップの開催を通じて、「木のインテリア」の設計・提案ができる人材「木のインテリアアドバイザー」を育成し、施主や大工・工務店等に対し、県産木材を利用したリノベーションの提案活動を行う。

◎ 完成したリノベーション物件については、パンフレットによるPRと併せてモデルルームとして活用し、県民が実際に見て、触れて、感じてもらうことで、県産木材利用への関心を高める。

(主な成果)
◎ 平成28年度に3件、平成29年度に2件、平成30年度に2件のリノベーションを行い、県民等に対しPRすることができた。また、このリノベーションの取組は、ウッドデザイン賞2017を受賞した。

◎各リノベーション物件のコンセプト
1 県庁
・旧館1階面談室 「EN・えん」
焼き物やバルーン、みかんや玉ねぎ、丸ぼうろなど、佐賀の土地にはたくさんの「円」が存在しています。この部屋は、県庁への来訪者や県庁職員がミーティングや待ち合わせなどに使うことで、たくさんの「縁」が生まれる場所です。Sの形をしたルーバーや、誰でも対等に座ることができる3つの大きさのテーブルなど、ほとんどの部分に曲線を使い、壁や天井に木材を張ることなく木質化された空間をデザインされています。佐賀の空気で育った木と、佐賀の文化と、佐賀の技術が「EN」という空間全体を構成しています。
・新館10階面談室 「TSUM・つむ」
佐賀の産業を支えた登り窯や反射炉には、レンガが使われ、日本最初の建築家と呼ばれる佐賀出身の辰野金吾もレンガという素材を多用しています。この部屋は、佐賀から世界へ発信された文化の蓄積を先人から受け継いだ佐賀の山林で生産された木材を使って表現されています。3つの大きさのスペースを区切るパーテーションは、一定の隙間を設けた木材のレンガ積みとすることで、各部屋のほどよい領域を創るとともに、高層階の気持ちのいい光と風が抜けるようにデザインされています。

2 工務店ショールーム
・事業推進に貢献するオフィスの象徴空間
オフィスの中心的となる場所を、来客だけでなくスタッフもゆっくりと落ち着けるラウンジ空間としてリノベーションされています。レセプションやキッズスペース、ライブラリといった複合的な機能を持ち合わせ、打合せや商談にも使える空間となっています。ぬくもりを感じられる県産木材によってつくられたこの空間は、居心地の良い企業ブランディングスペースとなります。

3 NPO法人事務所兼地域交流施設
・[完成した空間]ではなく、作り方・関わり方をデザインする
プロに学びながらの作業はもちろん、材料発注や業者打合せ等できることはできるだけ施主であるムラークの皆さんに関わっていただきました。SNSでの状況公開や、工事中の現場での地域イベント、他の団体との作業交流など、多くの人が関わる機会が設けられ、工事そのものが地域との交流の場ともなりました。

4 県庁(地下食堂・ラウンジ)SAGA CHIKA
・これまで職員の利用が主だった県庁の地下食堂を、県民の皆様にも開かれたラウンジのような空間へとリノベーションしています。既存のフラットで均質な空間に対し、キーマテリアルとして県産木材を用い、床のコンクリートや壁・天井のグレーの空間の中に、スギ材の無垢な素材感が浮かび上がります。

5 商業施設 SWEETS LABO Tem.de Suc.
・小城駅前という立地を活かし、歴史と文化が多く残る小京都『小城』を散策する拠点として古民家を活用しています。スイーツを味わうだけでなく、築100年を超える建物が地域住民とツーリストの懸け橋となるような拠点を提供します。

6 菓子職人の小屋 デタント
・古い農業倉庫を改装したケーキ店の「焼き菓子」用棚をデザインしています。障害者支援センターの利用者の一人に色鉛筆で直接絵を描いてもらった棚の先端部分は、杉の木肌とマッチしており、太さの違う柱とともに表現された棚は童話の世界のような印象を与え、新しい建築表現となっています。

7 有田の元男子寮
・約30年使われないまま放置された窯元男子寮をリノベーションしています。鉄筋コンクリート造3階建ての「おんぼろビル」を地元のプロダクトデザイナーや写真家、ベンチャー経営者などが運営組織を作り再生していきます。「地域を照らす」というテーマで、間伐材を利用したセルフビルドにより「丸太と藁」のワイルドな造形を作り出し、地域の象徴に「再生」する第一歩になりました。
県庁旧館1階面談室
県庁旧館1階面談室
県庁本館10階面談室
県庁本館10階面談室
工務店ショールーム
工務店ショールーム
NPO法人事務所兼地域交流施設
NPO法人事務所兼地域交流施設
関連
ホームページ
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本件問合先 佐賀県農林水産部林業課
0952-25-7133
ringyou@pref.saga.lg.jp