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タイトル | 学力の経年変化がわかる自治体初の学力調査の実施 |
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施策・事業名称 | 埼玉県学力・学習状況調査 |
都道府県名 | 埼玉県 |
分野 | 教育・文化 |
事業実施期間 | 平成27年4月1日~ |
施策のポイント | 全国の自治体では初めて、PISA調査やTOEFLなどで使用されるIRT(項目反応理論)という試験理論を活用するとともに、小学校4年生から中学校3年生までの全ての児童生徒が調査を受けることで、児童生徒の学力が伸びていく様子を把握することができる。 |
内容 |
埼玉県学力・学習状況調査は、「学習した内容がしっかりと身に付いているのか」という従来の視点に、「一人一人の学力がどれだけ伸びているのか」という新たな視点を加えることで、児童生徒一人一人の「学力の伸び」を確認することができる全国で初めての調査である。平成27年度に始まり、本年度8回目の調査を実施した。 平成29年7月にはOECDの教育部門のトップであるシュライヒャー教育・スキル局長が本県を訪れ、本調査について懇談し、大変高い評価をいただいた。 1 調査目的 本県の児童生徒の学力や学習に関する事項等を把握することで、教育施策や指導 の工夫改善を図り、児童生徒一人一人の学力を確実に伸ばす教育を推進する。 2 調査対象 県内の公立小・中学校等(指定都市を除く)に在籍する小学校4年生から中学校3 年生までの児童生徒約30万人 3 調査事項 ⑴児童生徒に対する調査 ・「教科に関する調査」(国語、算数・数学、英語) ・「質問調査」(学習意欲、学習方法及び生活習慣等に関する事項等) ⑵学校及び市町村教育委員会に対する調査 ・「質問調査」(学校における教科指導の方法、市町村における独自の研修の 実施状況等) 4 調査実施日 〇平成27年度~令和元年度:4月に実施 〇令和2年度:6月から7月に実施 〇令和3年度~:5月に実施 5 調査の特徴 ○全ての問題に難易度を設定し、どのくらい難しい問題に正答できたかにより学力を測るIRT(項目反応理論)と呼ばれる試験理論(PISAやTOEFLなどでも使用)を活用し、児童生徒の学力が伸びていく様子をより明確に示すことができる。 ○毎年度、小学校4年生から中学校3年生までの全ての児童生徒が調査を受けることで、同一の児童生徒や学校の変化を継続的に把握することができるパネルデータを用いて学力の伸びを測定している。 ○児童生徒の非認知能力や学習方略にも注目をしている。 ・非認知能力:学力等の認知能力以外の様々な力(本調査では自制心、自己効力感、勤勉性、やりぬく力について調査) ・学習方略 :子供が学びに向かうときの態度や学習の仕方(計画的な学習、柔軟な学習等5つの方略について調査) 6 これまでの調査結果分析から分かったこと(抜粋) 本調査結果について、専門的な機関である慶應義塾大学SFC研究所に分析を委託したところ、以下のことがわかってきた。 〇「主体的・対話的で深い学び」の実施に加えて良い学級経営(落ち着いた学級づくり)が、非認知能力や学習方略を向上させ、子供の学力向上につながっている。 〇保護者や地域の方々が積極的に諸活動と関係している学校は、良い学級経営(落ち着いた学級づくり)を実現している傾向がある。 〇「主体的・対話的で深い学び」の実現には、「授業に対する教員の意識変容」と「専門的な指導を受けながらの継続的授業改善」が重要である。 〇学力や学習方略が伸びた子供は教員との関係性が良い傾向がある。 〇子供たちの非認知能力を高めることが、学力の維持向上に重要である。 〇学級内における周囲との学力差は学力や非認知能力の変容に影響する。 「主体的・対話的で深い学び」の実施や学級経営が子供たちの学習方法・態度(学習方略)の改善や、自己肯定感などの非認知能力の向上につながり、学力を向上させている可能性があることが分かった。 7 調査結果を活用した今後の取組 ○学力を伸ばした効果的な取組や工夫の共有化 ○主体的・対話的で深い学びの実践の推進 ○本調査の「復習シート」を活用した学習内容の定着 ○毎年度30万人の教育ビッグデータの有効活用 ○調査問題検討や結果分析、学力向上施策等における他自治体との連携 ○本調査データとAIを活用した、子供一人一人に応じた指導の実現 8 調査のCBT化 ⑴ CBT化する目的 これまで紙媒体で行っていた埼玉県学力・学習状況調査を、タブレット端末等で調査を行うCBTへ段階的に移行することで、埼玉県学力・学習状況調査の更なる効果的な活用・効率的な実施方法を検討する。 ⑵ CBT化の取組 |
関連 ホームページ |
https://www.pref.saitama.lg.jp/f2214/gakutyou/20150605.html |
本件問合先 | 教育局市町村支援部 義務教育指導課 |
048-830-6752 | |
a6750@pref.saitama.lg.jp |