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タイトル M-GISを活用した建築確認申請のデータベース構築
施策・事業名称 M-GISを活用した建築確認申請のデータベース構築
都道府県名 三重県
分野 地域振興・まちづくり
事業実施期間 平成28年4月1日~
施策のポイント 建築計画概要書の閲覧やその公文書開示請求については、これまで対象となる建築物を特定したうえで、膨大な数の概要書の中から該当する概要書を探し出し、複写をして、また元通りの場所に戻すことをしており、それに係る事務量の増大とともに、概要書が紙資料であることから、劣化という避けて通ることが出来ない課題がありました。
そこで、概要書をPDFという形で電子化し、建築確認申請の情報がプロットされているGISと結びつけました。これらにより、概要書を恒久的な資料として保存するとともに、概要書を視覚的にかつ素早く検索できることが可能となり、大幅な業務の効率化とともに、概要書の適正な維持・管理についても改善を図ることができました。
内容 <現状や課題、設定した目標>
建築計画概要書(以下、「概要書」という。)の閲覧は制度開始から40年以上が経過しており、紙資料特有の劣化が進む一方、一般に閲覧に供しているが故に、汚損や摩耗についても避けて通ることができないという問題がありました。
また、近年の中古住宅の取引の活況化や宅建業法の改正により既存住宅の売買契約時の重要事項説明において、確認申請や検査履歴の有無を説明することが追加されたことに伴い、今後更に、概要書の閲覧及び公文書開示請求による概要書の複写申し込みが急増することが予想されました。
概要書の劣化、また、閲覧等の増加による事務量の増大の両方の課題に対応するには、概要書の電子化、更にそれを活用した事務の効率化・省力化が必要不可欠でした。

<取組の検討プロセス、改善点等>
【劣化対策への取組】
概要書の劣化対策については、概要書を広く一般に使われているPDFファイルにすることで対応しました。通常業務の合間、共用コピー機の空き具合を窺いながら、とにかく地道に作業を進めました。作業を始めてから足かけ2年、ようやく全ての概要書11,525件をPDF化することができました。
【事務作業軽減への取組】
これまで、概要書の閲覧や公文書開示請求があれば、建築物を特定したうえで、厚い紐閉じ簿冊の中から該当する概要書を探し出し、複写をして、また元通りの場所に綴じ直すことをしており、その作業手間だけでも大変でした。
概要書をPDF化することで、新たに概要書を素早く検索できるシステムを構築することも検討しましたが、費用の面や通常業務の合間に行うには厳しい状況でした。
そこで、過去から現在まで建築確認がなされた建築物の情報をM-GIS(三重県が一般に公開している簡易型GISアプリケーション)上に落とし込んでいることに着目し、この既存データベースを活用できないかと考えました。幸い、M-GISのデータベースには、概要書が存在する建築物のデータが地図上にプロットされており、また、そのデータの属性情報にはファイルを添付する機能が備わっていたため、PDF化したファイルを属性情報に貼り付けるだけで概要書の情報とM-GISとを結びつけることが可能だとわかりました。
あとは、ただひたすらM-GIS上にプロットされた建築物のデータにPDFファイルを貼り付けていきました。平成30年3月末時点で、その数はなんと11,175件にも及びました。

<効果、成果>
・尾鷲建設事務所が保管する11,525件の建築計画概要書全てについて、電子化(PDF化)を完了しました。
・11,525件のうち、約97%にあたる11,175件の概要書のデータをM-GIS上に落とし込みました。
・概要書の閲覧や公文書開示請求の際に、M-GISを使用することで視覚的に建築物の特定が容易になるとともに、概要書のデータがM-GISに貼り付いているため、速やかに概要書の複写が行え、作業の効率が向上したことで、申請者の待ち時間が短縮されました。
・概要書は一番古いもので昭和45年からあり、文字のにじみや汚れ、紙自体がボロボロになるなど劣化が進んでいましたが、何とか資料の文字や図面が判読できるうちにPDF化を終えることが出来き、恒久的な資料として残すことができました。

<工夫した点や苦労した点>
電子化する概要書の数は1万件を超えており、1件につき数ページの概要書を一件一件PDF化していく作業、更にPDF化した情報をM-GIS上に落とし込んでいく作業は非常に根気を要するものでした。
本件問合先 尾鷲建設事務所 総務・管理・建築室
0597-23-3546
okenset@pref.mie.jp