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タイトル | 病院職場における研究推進システムの構築 |
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施策・事業名称 | 病院職場における研究推進システムの構築 |
都道府県名 | 三重県 |
分野 |
健康福祉 教育・文化 |
事業実施期間 | 平成25年5月1日~ |
施策のポイント |
地方の小規模公立病院職員であっても、医療従事者は専門職としての社会的責任がある。こうした中、職員の意欲と能力の向上に自主的かつ主体的に取り組ませるため、看護部長をリーダーとして「研究やろう会」を発足させ、エビデンスの創出を支援した。 これにより、研究に取り組んだ職員の自己肯定感が醸成され、地方の小規模な公立病院から全国に向けてエビデンスを発信することで職員のプライドとモチベーションの向上につながり、多くの職員が研究発表に取り組むようになるとともに、病院運営の健全化が進行している。 |
内容 |
<現状や課題、設定した目標> 当院は小規模公立病院(一般病床46床、全職員数100名)であり家庭医療を中心とした(1)医療、(2)教育、(3)研究、に取り組むことにより「全国の医療過疎を解決する病院のモデルになる」ことを目指している。 しかしながら、過去には、平成22年の県立病院改革により「県立病院としては廃止し民間移譲」との方針が出され、それ以降28年度までは「当分は県立」との暫定的な方針で運営されてきており、地域医療を担ってきたという職員のプライドとモチベーションは低下していた。 <取組の検討プロセス、改善点等> 平成25年3月に全職員が共有できる自分達の理想像(=ビジョン)を創造する目的で「夢プロジェクト」という職員有志の会が発足し、ビジョン達成のための戦略の一つに「研究:プライマリ・ケアに関するエビデンスの創出」が設定された。 このため同年5月に看護部長をリーダーとする「研究やろう会」が発足した。研究促進のために戦略会議を定期的に行い進捗状況を確認するとともに、研究デザインや解析方法等の講習会、発表予演会、論文作成指導等をおこなった。また学会発表ポスターの院内掲示、ホームページに研究業績の掲載等を行った。 <効果、成果> 平成24年以前は医師による日本語論文と学会発表が数件あるのみであったが、25年以降は医師以外の職種(看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、理学療法士等)によって学会発表数や論文数が急増した。28年の日本看護学会における発表数は全国一となった。 医療、教育、研究を病院の使命と位置づけ、これを実現するためには強力な牽引システムと指導力が必要である。小規模な公立病院から全国に向けてエビデンスを発信することは職員のプライドとモチベーションの向上につながったと考える。 <工夫した点や苦労した点> 各職員に、通常業務に加え研究活動に取り組んでもらうことに苦労した。研究することの意義を丁寧に説明し、研究活動をサポートすることで研究活動を促進した。 |
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