政策個表

タイトル 全国初!福祉施設車両の遊休時間帯を活用した住民互助の付添活動の創出により市町村を伴走支援
施策・事業名称 岡山県通所付添サポート事業
都道府県名 岡山県 本件問合先 岡山県保健福祉部長寿社会課
分野 健康福祉 086-226-7324
事業実施期間 平成29年4月1日 ~ choju@pref.okayama.lg.jp
施策の
ポイント
市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けて、通いの場等の通所に自力で参加が難しくなった高齢者が、家に閉じこもることなく、通所を利用できるよう、社会福祉法人の遊休時間帯の車両等を活用し、住民互助による付添活動の仕組みを構築し、県内市町村に普及するもの。
内容 1 社会的背景
・75歳以上の後期高齢者の増加に伴い、公共交通の利用や車の運転をしなくなる高齢者が増えている。
・さらに、道交法改正により、75歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査が強化され、運転免許返納者の増加が見込まれる。
・知事が地域で県民と意見を交わす「知事と一緒に生き活きトーク」においても、高齢者が「生活の足」を失うことへの不安の声が聞かれている。
・また、介護保険制度改正により、要支援者のデイサービス等が市町村の事業に移行したことにより、通所送迎を介護サービス事業者に頼ることが難しくなっている。

2 事業のねらい
・本事業は、高齢者の「介護予防」に主眼を置いた取組である。
・要支援者の約30%で、外出頻度が週1回未満となっており、外出頻度の低下は、体力と認知機能を低下させ要介護化リスクが高くなることから、閉じこもりを防ぐことが、もっとも効果的な介護予防と言われている。
・本県では、高齢者が身近な場所で体操などの軽い運動を行う「通いの場」の普及を図っているが、この通いの場等に自力参加が難しくなった高齢者への支援策が課題となっている。
・このため、活動的な高齢者に担い手となってもらい、住民互助の付添活動の仕組みを構築し、市町村に普及することで、県全体の要支援者等の軽度認定者の増加の伸びを抑え、介護予防を推進するものである。

3 事業内容
(1)ニーズ・実態把握
・スキーム構築に当たり、通いの場の利用状況と福祉施設の車両の遊休時間帯に関する調査を実施。
・その結果、20市町村で、週1回以上の頻度で、通いの場が開催されており、その半数で通いの場に自力参加できなくなった高齢者が存在していることが判明。また、県内335福祉施設の車両のうち、815台について、遊休時間帯に住民活動に車両の提供が可能であることがわかった。
・この結果を踏まえて、事業スキーム【図1】を構築し、実現に向けて、中国運輸局岡山運輸支局、県警察本部交通部関係課と調整。
(2)通所付添活動検討会(全県レベル)
・本事業の関係者の合意形成及び連携促進の場として、市町村、福祉施設、NPOを構成員とした通所付添活動検討会を開催。
(3)通所付添サポーターの養成
・付添活動に必要な介助実技と安全運転実技について、2日間で講習を実施。
・介助実技は、岡山県リハビリテーション専門職団体から、運転実技は、岡山県運転免許センター及びNPO移動ネットおかやまから、それぞれ協力を得て実施。
・平成29年度は、4市町村42人が修了。
(4)通所付添モデル事業
・吉備中央町(人口12千人、高齢化率38%)をモデル市町村として指定。
・50代から70代までの前期高齢者26人が、県の講習を修了し、通所付添サポーターとして登録。二人一組になって、通所への自力参加が困難な高齢者を、徒歩や車で通いの場まで付添支援。【図2】【図3】
・車両は、町内の特別養護老人ホームの車両2台(空き時間を利用)と町契約のリース車両2台でスタート。
・車両と利用者のマッチング、サポーターの調整役として、専任のコーディネーターを配置。
・利用者は、片道100円を付添料金として負担、町は、付添サポーター一組につき一日2,000円を付添活動の対価として補助。(輸送の対価は発生しないため、道路運送法に抵触しない。)
・県は、300万円を上限に、活動の立ち上げ費用全額を財政支援するとともに、準備段階から活動が軌道に乗るまでアドバイスしながら伴走支援。

4 事業の成果と今後の方向
(成果)
・住民互助の通所付添活動が定着し、70歳代前半世代までの高齢者の活躍の機会が拡充。
・通所付添サポーターの誘い出しにより、通所の曜日がわからくなった高齢者が休まず通所に参加するうちに日にちがわかるようになるなど、改善につながった事例が増えている。
・市町村の介護予防・日常生活支援総合事業において、要支援者が、通所介護事業者の通所サービスを6か月程度利用し、その後、地域の通いの場にスムーズにつながるようになっている。
・モデル事業の実施過程において、市町村、介護サービス事業者、福祉施設、住民の協働関係が構築され、介護の専門職と住民が役割分担しながら高齢者の生活支援体制の整備が進んでいる。
・これらは、介護保険制度改正により、市町村に課せられるようになった高齢者の自立支援の取組であるが、市町村にとって、限られた時間と人材により、効果的な事業を企画・運営することが容易ではない中で、県による伴走型の支援が成果を上げつつある。
・具体的には、本事業は、市町村だけでは課題解決しにくい高齢者の外出の問題について、県が運輸、警察等の各方面との調整を図りながら、福祉施設への協力の呼びかけ、サポーターの人材育成を行うことにより、市町村が住民活動の立ち上げ・支援に専念できるようにすることで、市町村の介護予防と生活支援体制整備の取組を加速化させている。
・また、福祉施設の車両の提供協力を通じて、社会福祉法人の地域貢献活動が促進されている。
(今後の方向)
・平成30年度は、モデル市町村を複数に拡大し、県内への普及促進を図る。
・住民互助の通所付添活動と地域の通いの場を組み合わせた、「岡山型介護予防」を展開することにより、健康長寿をめざす。
【図1】住民互助による通所付添活動
【図1】住民互助による通所付添活動
【図2】モデル市町村における通所付添サポーターの活動状況
【図2】モデル市町村における通所付添サポーターの活動状況
【図3】通所付添サポーターの活動の様子
【図3】通所付添サポーターの活動の様子