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タイトル キャベツでムラサキウニを育てる!!
施策・事業名称 三浦の野菜残渣を活用したムラサキウニの蓄養技術開発(シーズ探求型研究推進
都道府県名 神奈川県
分野 農林水産
内容 1 趣旨・目的
海藻が消失する磯焼けの原因生物であり、除去を行っているムラサキウニと、規格外で流通しないキャベツを組み合わせて、新たな地域産品を創出するための養殖手法を開発する。

2 主な特長
海の生物であるムラサキウニを、陸上の野菜を餌として養殖することで、短期間に甘味成分が多く苦みの少ない、美味しいウニに育てることができた。
野菜だけを用いたウニの養殖は全国初の取組である。

3 取組内容
磯焼けのため餌不足で痩せたムラサキウニに、規格外で流通しないキャベツやダイコン、ブロッコリーなどの野菜を餌として与えて養殖する試験を行った。雑食性のムラサキウニは、キャベツやダイコンなどの野菜もよく食べ、身(生殖巣)入りが良くなるとともに、甘味のある美味しいウニになった。
また、生の海藻や乾燥コンブ、ブロッコリーを与えた場合より、キャベツだけを与えた場合の方が身入りが良く、甘味成分のグリシン含量も多かった。さらに、苦味成分のバリンも、キャベツのみで飼育したウニでは特異的に少なかった。
関係者による試食では、「磯臭さがなく、ウニ嫌いでもたべられる」、「果物のような甘さである」といった良好な評価を得た。
キャベツだけ与えて77日間飼育し、身入りを確認したところ、平均で12.5%、最大で17.3%の身入り率(生殖巣重量/体重)となり、甘味成分のグリシンも市販ウニと遜色なく、苦み成分のバリンが特異的に少ないことが明らかになった。

4 主な成果(効果)
磯焼けの原因生物であるウニ類は、全国で除去の対象となっている。今回の試験により、ムラサキウニは、キャベツなどの陸上野菜のみでの飼育が可能であることが明らかになった。また、野菜によるウニ養殖では、2~3ヶ月の短期間で販売可能な身入り状態に達することから、ムラサキウニの有効利用の可能性が示唆された。
このことは、磯焼け対策で除去しても収入とならなかったウニが販売対象となり、さらには地域農産物で流通されない規格外野菜や、市場やスーパーなどで廃棄される外葉などの有効利用を図れるものである。
キャベツを食べるムラサキウニ
キャベツを食べるムラサキウニ
関連
ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/mx7/cnt/f430694/p583151.html
本件問合先 環境農政局農政部水産課水産企画グループ
045-210-4542
yamada.fd6x@pref.kanagawa.jp