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タイトル | ほぼゼロ予算で戸別訪問!企業の営業網を活用して、終末期に備えた話し合いを促進 |
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施策・事業名称 | 幸福な長寿社会実現事業・包括連携協定に基づく普及啓発 |
都道府県名 | 岡山県 |
分野 | 健康福祉 |
事業実施期間 | 平成31年2月1日~ |
施策のポイント | 個人をターゲットとしたきめ細やかな啓発は、県で直接実施するには人員・経費の両面においてハードルが高い。そこで、豊富な人員を有し、かつ県が啓発したい内容に共感していただけそうな企業を探し出してアプローチし、両者がWin-Winとなるスキームを協働で構築することにより、限りなくゼロに近い予算で、県全域を対象とした戸別訪問による啓発を実現した。 |
内容 |
【現状・課題】 ・超高齢多死社会を迎え、終末期医療の在り方について関心が高まっている。 ・もし人生の最終段階において患者の意に沿わない医療が提供されることがあれば、本人や遺される家族の心に深い傷を負わせるだけでなく、医療資源の適正利用の観点からも好ましくない。 ・このため本県では、患者の意向を尊重した医療の提供体制整備と併せて、「県民自身が、元気なうちから将来の医療に対する自分の希望を周囲に伝えておく」ことを推進するため、平成29年度から、マスメディアや行政・医療機関のネットワーク等を活用した広報活動を展開している。 ・しかしながら、平成30年6月に実施した調査では、自分の死が近い場合の医療について家族等と話し合ったことがあると答えた県民は36.3%に留まっている。 【取組内容】 ・県民の意識を変え、話し合いにつなげるには、全体的な広報だけでなく、個人に対するきめ細かな啓発も必要と考え、次の取り組みを行った。 ステップ1 ・個人への啓発を担える人材がいないか、官民の枠にとらわれずに検討を行った。この際、特に以下の3点を考慮した。 1 病気にかかっていない健康な人も含め、県民全体にアプローチできること。 2 デリケートな話題を扱える、高いコミュニケーションスキルを有すること。 3 長期的かつ定期的に、対象者に接触できる立場にあること ・様々な業種を検討する中で、「生命保険会社の営業職員」が候補に浮上した。 ステップ2 ・本県と包括連携関係にある生命保険会社に対し、営業職員から顧客へ個別の啓発を行っていただけないか、打診することとした。 ・まず、幹部へプレゼンを行い、取組の趣旨を説明した。病気や死に関わる内容のため当初は難色を示されたが、「もしもの事態に備えることは、人生を最期までより良く生きることにつながる」との理念を共有できたことで、前向きな回答を得ることができた。 ・顧客への具体的な啓発方法は、営業経験のあるスタッフと県担当者でプロジェクトチームを立ち上げて検討した。この結果、顧客の「これからの人生に対する希望」を記録するオリジナルのリーフレットを作成し、営業職員が契約内容確認のために顧客宅を定期訪問する際、持参して一緒に書き込むというスキームが完成した。 【効果】 ・平成31年2月より、営業職員約700人が、それぞれの顧客へ啓発を行っている。県が負担した費用はリーフレットの印刷費(10,000部、約5万円)のみ。 ・取組が地元紙に取り上げられ、医療関係者からも高い評価を得ている。 ・連携先からは、営業職員のモチベーションアップや会社のPRに役立っており、引き続き協力したいとの申し出を受けている。 【今後の展開】 ・現在の連携先は1社のみであるが、他社にも呼びかけて、オール岡山での取組とする方向で検討中。 |
関連 ホームページ |
http://www.pref.okayama.jp/page/544501.html |
本件問合先 | 岡山県保健福祉部医療推進課 |
086-226-7321 | |
iryo@pref.okayama.lg.jp |