政策個表

タイトル 外部からの電力や燃料を必要としないエネルギー自立型焼却炉
施策・事業名称 エネルギー自立型焼却炉の開発・導入
都道府県名 東京都 本件問合先 東京都下水道局計画調整部計画課
分野 環境 03-5320-6698
S4000005@section.metro.tokyo.jp
内容 〇概要
東京都下水道局は、水再生センターやポンプ所などの施設を24時間365日休むことなく稼働させることにより、生活環境の改善や浸水の防除、公共用水域の水質保全を図り、安全・安心で快適な東京の都市づくりに貢献しています。
こうした質の高い下水道サービスを提供するためには、大量のエネルギーを必要とし、結果として多くの温室効果ガスを排出しています。
当局では、これらの課題に対して地球温暖化防止計画「アースプラン」やエネルギー基本計画「スマートプラン」を策定し、温室効果ガス排出量の削減や省エネルギー等に向けた取組を推進しています。
これらの取組により、2019年度には、2000年度比で温室効果ガス排出量を25%以上(27.8万t-CO₂)削減する成果を上げました。
今後、さらなる温室効果ガス排出量やエネルギー消費量の削減を推進するための取組として、エネルギー自立型焼却炉の技術開発を行い、建設に着手しました。

〇エネルギー自立型焼却炉
東京都下水道局は、20か所の水再生センターで日量約516万㎥(2019年度)の汚水を処理しており、処理の過程で発生する汚泥は、1日あたり約21万㎥と膨大な量になっています。また、発生する汚泥は濃縮・脱水等の工程を経て、汚泥の減容化および安定化等を目的に全量焼却処理を行っています。
焼却工程においては、電気および燃料の大量消費に加え、汚泥の焼却に伴い排出される温室効果ガスの一種である一酸化二窒素(以下N₂O)による大量の温室効果ガスが課題となっていました。
これらの課題を解決するため、東京都下水道局は民間企業と共同研究を実施し、電力および燃料使用量を実質ゼロ、N₂O排出量を半減にするエネルギー自立型焼却炉の開発を行いました。
共同研究におけるエネルギー自立型焼却炉の主な性能は次のとおりです。

・N₂O排出量(kg-N₂O/t-DS):1.15以下
・使用電力量(kWh/t-DS) :161以下
・燃料使用量(N㎥/t-DS) :0
・発電は焼却炉における使用電力を発電電力量が年間で上回る

エネルギー自立型焼却炉は、脱水汚泥の水分量を一層削減できる「超低含水率型脱水機」と組合せることで能力を発揮します。
汚泥中の含水率を74%以下に抑えた脱水汚泥を焼却炉に投入することで、汚泥自体が燃えやすくなります。その結果、汚泥を乾燥・燃焼させるために必要であった焼却排熱(熱エネルギー)が大幅に減少するとともに、燃焼に必要な補助燃料が不要となりました。
また、汚泥の自燃により更なる焼却温度の高温化(850℃以上)が可能となったので、N₂Oを従来の高温燃焼焼却炉に比べ約5割削減できます。
さらに、余剰となった熱エネルギーを発電に活用することで、焼却炉の運転に必要な電気を自給することが可能となりました。
焼却能力300t/日のエネルギー自立型焼却炉を導入することで、年間約370万kWhの電力を削減できます。この削減量は、一般家庭約900世帯分の年間電力使用量に相当します。温室効果ガス排出量においても、従来の高温燃焼焼却炉と比較して年間約11,000t-CO₂の削減が可能です。
現在、年間を通じて安定的かつ定量的に汚泥を処理する焼却炉を優先的にエネルギー自立型焼却炉に更新しており、今後も温室効果ガス排出量の削減やエネルギー消費量の削減を目指して導入を拡大していきます。
エネルギー自立型焼却炉と超低含水率型脱水機のイメージ
エネルギー自立型焼却炉と超低含水率型脱水機のイメージ
高温燃焼焼却炉とエネルギー自立型焼却炉の比較
高温燃焼焼却炉とエネルギー自立型焼却炉の比較
建設中のエネルギー自立型焼却炉
建設中のエネルギー自立型焼却炉