政策個表

タイトル 新しい手法によるPM2.5測定地点の最適化
施策・事業名称 大気汚染監視調査事業
都道府県名 熊本県 本件問合先 熊本県環境生活部環境局環境保全課
分野 環境 096-333-2269
事業実施期間 平成30年5月25日 ~ kankyouhozen@pref.kumamoto.lg.jp
施策の
ポイント
・大気汚染物質である微小粒子状物質(PM2.5)濃度は、平成25年度(2013年度)をピークに改善傾向が見られたことから、PM2.5の測定箇所の最適化を目的として、適正配置検討委員会を設置し、検討を行うこととした。

・大気汚染物質の濃度分布を推計するため、空間統計解析(Regression Kriging)手法(以下「RK法」という。)の適用に着目し、専門家の意見を聴きつつ職員自らデータを収集して計算プログラムを組み、解析に取り組んだ。その結果、RK法による濃度分布の推定と統計検定を組み合わせた手法を開発し、PM2.5測定体制の適正化の根拠となるデータを得ることができた。

・大気環境学会において本法について発表し、一定の評価を得ることができた。

・本法は全国初の取組であり、他の自治体への適用が期待される。
内容 微小粒子状物質(PM2.5)は平成21年9月に環境基準が定められ、中国での高濃度汚染等が社会問題となったことから、本県でも平成25年度までに県内全ての大気汚染常時監視測定局にPM2.5測定機器を設置した。その後、平成28年度には環境基準達成率が74%となり改善傾向が見られたことから、適正な監視体制を確保しつつ維持管理の負担軽減を図るため、PM2.5の測定箇所の最適化を目的として、平成30年度に専門家による適正配置検討委員会を設置し、検討を行うこととした。
検討にあたっては、県内におけるPM2.5の濃度分布を予測する必要があるが、通常、大気汚染物質の濃度分布の推定は気象状況や地形、発生源、流入量などのデータから化学輸送モデルを用いたシミュレーションにより行う。しかし、この手法だと直近のデータの収集や挙動の推計が非常に難しく、また、高性能のコンピュータで計算しなければならないことからコストが高いという難点がある。
このため本県では、欧米で研究が進んでいるRK法を大気環境へ適用することに着目し、PM2.5の濃度分布の推定に取り組んだ。しかし、国内では本法の適用事例が無く、計算を行う専用ソフトウェア等も無いことから、専門家の意見を聴きつつ職員自らデータを収集して計算プログラムを組み、濃度分布の推定と統計解析に取り組んだ。
その結果、RK法による推計が可能となり、発生源データの収集など大がかりな調査が不要となったほか、業務委託による解析も不要となり、大幅なコスト削減に繋がった。このことは令和元年度(2019年度)に同委員会において承認され、削減可能なPM2.5測定局が選定された。今後検証を経て、選定された機器を削減した場合、最大で年間200万円程度の経費削減が見込まれる。また、他の大気汚染物質についても同法を活用し、低コストで常時監視体制の適正化に取り組むことができると考えられる。