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タイトル 官民連携による産業廃棄物処理業の環境産業へのステージアップ支援事業~規制から支援・協働へ~
施策・事業名称 環境産業へのステージアップ事業
都道府県名 埼玉県
分野 環境
事業実施期間 平成31年4月1日~
施策のポイント 産業廃棄物処理業を環境に貢献する産業としてステージアップさせる事業を官民連携で進めている。その一環として、処理業者の違反ゼロに向けて、一方的に規制する手法だけではなく、違反が発生しないように処理業者を支援する取組を開始。支援に当たっては、処理業者と話し合うことで課題と目標を共有し、支援の内容を相談しながら進めている。処理業者自らが法律を守れるよう、県の立入検査票を処理業者主体の施設チェックリストに代え、処理業者のチェックを県が支援。また、排出事業者責任の不徹底と顧客優位の力関係が違反の一因と考えられることから、排出事業者責任を訴求するチラシを県と処理業者の連名で作成。処理業者の要望に応じてカスタマイズしている。元々、処理業者は排出事業者に法令の説明をしており、そこに県が支援して連名のチラシを作成するので、処理業者は県の後ろ盾をもって説明できるようになり、また県としても排出事業者責任の周知を処理業者の力で行えるので、win-winの取組と言える。処理業者にも好評で、(一社)埼玉県環境産業振興協会と協力し、複数のメディアに取り上げられるなど、取組が徐々に広がっている。
内容 産業廃棄物処理業界の環境産業へのステージアップを図るため、これまでの一方的な行政からの指導方法をあらため、処理業者それぞれの状況に応じた取組を行政と処理業者が連携してすすめるもの。

(1)事業の内容
ア.目標の共有と課題の抽出
処理業者に対し、時間をかけてヒアリングを行うことで、事業者と本事業目標(処理業者が違反ゼロで地域貢献をしている)を共有し、課題を抽出することによって行政からの支援内容を決定。

イ.チェックリストを用いた立入検査
行政主体の一方的な立入検査方式から、行政の立ち会いで処理業者自らがチェックリストをもとに確認を行う方式に変更。終了後に行政、処理業者双方の結果を照合し、確認する。

ウ.事業者オリジナルチラシの作成と配布
排出事業者責任の不徹底と顧客優位の力関係が法令違反の一因と考えられることから、排出事業者責任に強く訴えかけるチラシを作成。チラシの内容は抽象的・画一的なものとせず、廃棄物の出し方や危険物混入の防止など、個々の処理業者が自らの顧客である排出事業者をイメージし、特に留意してもらいたいことを具体的に意識し、これに気付いてもらえるよう分かりやすく示した処理業者ごとのオリジナルとし、埼玉県との連名で排出事業者に配布する。

(2)チラシを作成した処理業者及び概算の配布枚数
6事業者 配布枚数 約600枚
(令和元年12月~令和2年5月)

(3)チラシを使用した処理業者の声
・ 法律の後ろ盾があり、「行政が言っている」と、排出事業者に説明ができる。
・ 排出事業者に話を聞いてもらえるようになった。
・ 行政と連携する自分たちは、「絶対に失敗できない」と思う。
・ 他の処理業者も助かるので、全国に広めた方がいい。

(4)新聞等のメディアへの掲載による取組の周知活動の実績
・ 週刊循環経済新聞 令和2年3月23日(日報ビジネス)
・ 月刊 廃棄物 令和2年5月号(日報ビジネス)
・ イー・コンテクチャー 令和2年5月号(日報ビジネス)
・ INDUST 令和2年5月号(環境新聞社)

(5)期待される効果
・ チェックリストを活用した共同の検査により、行政と処理業者間の不適正の判断基準の整合性が図られる。
・ 行政と処理業者連名のチラシがあることにより、処理業者の排出事業者に対する説明が容易になり、効果的に排出事業者責任に係る意識向上を図ることができる。あわせて、処理業者が顧客に対し法令順守を周知する立場になることで、処理業者自身の意識が向上する。
・ これらの取組により廃棄物の不適正処理防止が推進され、処理業者に対する信頼性が向上するとともに、安全な職場環境が確保されることによる3K(きつい、汚い、危険)職場のイメージが払しょくされ、環境産業へのステージアップにつながる。

(6)SDGsにおける評価
・ 本事業をSDGsの17の目標に当てはめると、10の目標に貢献
・ 「排出事業者は処理業者の話を聞き責任を果たす」という部分に
注力することで、他の部分も改善される「好循環」が引き起こされ、
全体的な目標達成に貢献している。
・ 産業廃棄物という普遍性の高いテーマで、環境、社会、経済の統合的
向上が期待される本事業は、従来の縦割りを超えた「同時解決型」の
課題解決のモデルとなり得る。
関連
ホームページ
http://www.pref.saitama.lg.jp/b0502/gyoumu-haikibutu/stageup.html
本件問合先 環境部 産業廃棄物指導課、西部環境管理事務所
048-830-3120
a3120@pref.saitama.lg.jp