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タイトル | ながさきITモデル |
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施策・事業名称 | ながさきITモデル 〜長崎県独自のITシステム発注方式〜 |
都道府県名 | 長崎県 |
分野 | 行財政改革 |
内容 |
自治体の情報システム開発を地場に拡大するとともに、開発・運用経費の低減と、地場企業の人材育成を同時に行うものである。 1 地場企業がシステム開発を受注し難い理由 (1) 地域のIT需要が低く、市場が小さい。 (2) 自治体が開発実績を求めるため、参入しづらい。 (3) 自治体がシステムの仕様書サンプルを大手企業から提出させ、それを修正した仕様としているので、地場に不利な条件が設定されやすい。 (4) 地場IT企業は経験不足から要件定義能力、提案能力、品質管理能力が低いと考えられ、サンプルの仕様書作成の依頼がない。 (5) 受注チャンスが少ないことから、要件定義能力、提案能力、品質管理能力を高める環境がない。 2 自治体における課題 (1) 事務の煩雑さや、マネジメントできる人材がいない等の理由から、要件定義、基本設計、開発、テスト、運用の全てを一括受注できる大手企業に委託することが多い。 (2) システム開発後の変更や追加は、受注企業と随意契約を行うことが多い。 (3) その結果、競争原理が働かず、運用コストも高額となっている。 1の理由に基づく2の課題を解決するための手法として実行しているのが、以下に掲げる「ながさきITモデル」である。 (概要) 県職員がオープンソース等を採用したメーカー色のない詳細な仕様書を作成し、その仕様書を基に分割発注する方式を導入した。1つのプロジェクト単位をおよそ500万円以下に分割することで、経営資源の少ない地場企業でも県のシステム開発に参加することが可能な環境を整備した。発注は大手メーカーも地場企業もどちらも参加できる一般競争入札方式で行うが、プロジェクト単位が小さいことから、多くを地場企業が落札している。 (第1ステップ) 職員が担当しているシステムの画面イメージを作成する。職員は事務の流れを詳細に把握しているので、紙へのスケッチや表計算ソフトを使った程度の画面イメージや遷移イメージは簡単に作成できる。 出来上がった画面イメージ等は、WEBデザイナーなど外部の専門家に委託して、見やすい画面デザインを仕上げる。 デザイン後の画面イメージを基にさらに担当部署等を含めた議論を行うことにより、システム開発後の手戻りを抑える。 この作業により、今まで排除できなかった「曖昧さに潜むリスク」を軽減している。 (第2ステップ) 画面デザインが決まった後は、地場企業に委託してデータベースのテーブルフォーマットなどの設計を行う。 (第3ステップ) 画面デザインとデータベース設計を併せて、地場企業に委託して基本仕様書を作成する。 (第4ステップ) 出来上がった基本仕様書を基に、一般競争入札方式によりシステム本体の開発を発注する。 (効果) (1) 開発コストの削減 従来のシステム開発方式と比べ、これまでの仕様書にあった「曖昧さに潜むリスク」を軽減することができることや、一般競争入札方式による価格競争による効果などにより、開発経費を半分以下に削減できている。 (2) 地場企業における人材の育成 地場企業に開発に参加できる環境を整備できたことにより、地場企業のSEのスキル向上につながった。 県のシステム開発の地場企業に対する発注比率が格段に向上した。 (電子県庁システム開発の金額ベースでH12年度 0% → H28年度 89.5%) |
本件問合先 | 総務部スマート県庁推進課 |
095-895-2235 | |
s01290@pref.nagasaki.lg.jp |