政策個表

タイトル 前例にとらわれない、「役所」らしくない「計画づくり」
施策・事業名称 滋賀県農業・水産業基本計画検討事業
都道府県名 滋賀県 本件問合先 滋賀県農政水産部農政課企画・財産係
分野 農林水産
行政改革分野(住民・事業者視点)
077-528-3812
事業実施期間 平成31年4月1日 ~ 令和04年3月31日 ga00@pref.shiga.lg.jp
内容 1 「役所」らしくない。そんな「計画づくり」とは。
○「滋賀県農業・水産業基本計画」とは、社会情勢等を踏まえて滋賀県の農業・水産業施策の基本的な方向を示す5年毎に策定する計画である。
○これまでの計画策定は、県が計画案を主導的に作成した後、県民や関係団体等に示し、理解・協力を求めるという進め方がスタンダードであった。そのため、どうしても「役所の計画」として受け止められ、「自分事」として、自身のアクションに結びつきにくい状況であった。
○そこで、策定する際のプロセスを重視して進めることにした。

2 こだわった計画策定までのプロセスとは
【ステップ1:計画の「柱」となる「骨子」を策定】
農政水産部内のやる気溢れる中堅職員で策定チームを編成。グループワークを何度も重ね、計画の「柱」を策定。その際の約束は「4つ」。
(1)県民に向けた記述とする。役所言葉にはしない!
(2)シンプルで、わかりやすく。
(3)中心となる政策(=目玉政策)を作る。
(4)新型コロナウイルスの影響を分析して施策に反映する。
【ステップ2:様々なカテゴリーの声を分析して「骨子」に厚みを】
農水産業の生産者だけでなく、様々な県民の「声」をどこまで拾えるか、その解決策の一つとして、様々なカテゴリーに属する県民に向けたアンケート調査を実施。消費者、生産者、県政モニターなどを対象にして、対象者の目線に沿ったアンケート項目を設定して調査を行い、約4千名から得た回答を分析して「骨子」に反映した。
【ステップ3:とことん「生の声」を聴いてみた】
県内各地での「寄り合い(タウンミーティング)」を実施。生産者だけでなく、流通事業者、消費者、市町およびJAなどの関係団体の方々と、ステップ1、2で作成した「骨子」について意見交換を重ねた。その内容は多岐にわたり、これからの滋賀の農山漁村、農水産業、食の安全や安心など県内8地域、123名の方と熱く議論を交わした。
さらに、県域にわたる広域的な生産者団体等とも語り合った。
【ステップ4:編集責任者による「計画原案づくり」】
農政水産部内に7名(農業、畜産、水産、農業土木の技術職員)の編集責任者を設置して、これまでに集めた「県民の様々な生の声」活かすための具体的な施策案(骨子の肉付け)を検討し、計画原案を作成。
【ステップ5:女性委員が半数以上を占める審議会での活発な議論】
計画の骨子から原案までの調査・審議を行う「滋賀県農業・水産業基
本計画審議会」を設置。審議会は、学識経験者、生産者、流通関係事業者、消費者、公募委員等の15名からなり8名を女性が占めた。5回の審議会では、未来志向の多様な議論が活発に交わされた。

3 県民主体の「計画」にするために
○「自分事」として県民の方に「読んでもらえる」、「読みたい」と思わせる計画にするために、前例にとらわれずに検討を重ねた。
【ステップ1:構成順にもこだわってみた】
行政の計画の多くは、「現状と課題分析」から「目指す姿」そして「実施する施策」の記載順となっている。これは「書き手」である県担当者の作成手順でもあり、実際に施策に取り組まれる県民の視点に立っているとは言い難い。
自分事として自発的な行動へと繋げるには、まずは「読んでもらえる」、「読みたい」と思われる計画であることが重要である。そのためには、県民目線であり、県民と共に何を目指すのかといった「基本理念」や「目指す2030年の姿」を最初に示した後、推進する政策を説明することとして「現状と課題分析」は参考資料とした(下図)。

【ステップ2:わかりやすい「目玉政策」を際立たせた】
目玉政策は、「農業・水産業と関わる「人のすそ野」を拡大する」
人口減少や少子高齢化が進む中、「食」を生み出す農業者や漁業者の不足は深刻であり、このままでは県外産や輸入農産物等の県産以外にさらに依存せざる得なくなり、将来にわたって農山漁村の衰退が進むことへの危機感があった。一方、コロナ禍という非常時でも、生活の近くに農山漁村がある本県では、いつもと変わることなく農産物を安定的に手にいれることが出来るということに改めて気づかされた。
これらの背景から、次世代にも豊かな「食」を生み出す農山漁村を継承するために、農業・水産業の生産、流通・小売事業者、消費に関わる全て人の数を増やす「人のすそ野」を拡大することを目玉政策とした。
この目玉施策をすすめるための基本理念「県民みんなで創る 滋賀の「食と農」を通じた「幸せ」」を定めて、県民の共感を得ることを目指した。また、基本理念を念頭に置き、滋賀の農業・水産業が目指す10年後(2030年)の姿を、目玉施策「農業・水産業と関わる『人のすそ野』を拡大する」を共通視点とし、「人」、「経済」、「社会」、「環境」の4つの視点から14の政策を進めることとし、2030年の姿を県民に示すこととした。


4 より多くの県民の手に「計画」を届けるために
より多くの県民等が、この計画を知り、共感し、行動することに結びつけるためには、より多くの県民に知らせることが必要である。そこで動画配信も含んだ計画の概要版および冊子の作成、配布し、これまで県の取組に関心の薄かった若年層も巻き込みながら、次世代へ繋がる滋賀の農山漁村、農水産業を県民と共に目指していきたい。
基本計画のポイントを伝えるリーフレット(イメージ)
基本計画のポイントを伝えるリーフレット(イメージ)
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