政策個表

タイトル Excel VBAを活用した低廉・迅速なシステム開発
施策・事業名称 新型コロナウイルス関連慰労金支給事務に係る3分野(医療・介護・障がい)にまたがる重複申請の自動チェックシステム開発
都道府県名 熊本県 本件問合先 障がい者支援課
分野 行財政改革
健康福祉
096-333-2233
事業実施期間 令和02年8月17日 ~ shogaishien@pref.kumamoto.lg.jp
施策の
ポイント
・新型コロナウイルス関連慰労金の支給決定前の分野(医療・介護・障がい福祉)を超えた重複申請の自動チェックシステム開発・導入【九州では熊本県のみ】
・慰労金の直接の担当者ではないにもかかわらず、個人の熱意とスキルにより、多忙な中、短期間かつゼロ予算でシステムを開発。
内容 医療・介護・障がい福祉の各分野の職員一人ひとりへの慰労金の円滑な支給が求められる中、申請を受け付ける関係所属の懸案事項であった重複申請チェックを迅速に解決した。


1.ソリューション開発に着手した経緯・動機

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金については、感染リスクを伴う中、強い使命感を持って業務に従事する各分野の職員一人ひとりへの慰労を目的としていたため、令和2年8月には申請受付を開始し、申請のあった翌月末までの支給を基本として早期支給を目標としたが、慰労金は、医療・介護・障がい福祉の分野毎に申請する必要があり、分野をまたがって兼務している職員等による重複申請のチェックが大きな課題。
このため、慰労金の合計十数万件となる各分野の申請者データを共有化し、Excelソフトの自動化プログラム(VBA)を活用して、重複申請を自動的に抽出するシステムを開発した。


2.ソリューション開発の過程

分野毎に担当課が異なっていたため、分野毎に独立した審査・集計の流れを想定していたが、申請受付の準備を進める過程で、分野を超えた重複申請についての懸念が浮上した。
日常的にExcelソフトを活用した業務改善を行っていた担当課職員と協力して課題解決を図ったところ、システム開発着手から
わずか2週間程度で実装に至り、申請受付初月から稼働することができた。


3.完成に至るまでに直面した問題・課題、その解決方法

○ 開発費用・開発環境
担当者間で重複申請の懸念が浮上したのは申請受付開始の直前のことであり、当初は自動化のためのシステム開発委託や新たなソフトウェアの導入を想定していなかった。
システム開発において、Excelに標準搭載されているVisual Basic for Application(VBA)のみを用いることにより、開発費用を一切発生させず、既存の環境下での開発を実現した。

○ 申請様式の差異
医療分野と介護・障がい福祉分野との間で慰労金制度の設立過程が異なったことから、用いる申請様式が分野間で大きく異なっていた。
重複のチェックを各様式で共通の項目のみにより行い、必要な項目のみを一覧化することで、異なる様式間でも一括集計を実現し、集計に要する時間の短縮にも繋がった。

○ 運用中の不具合への対応
運用を開始した後、申請不備や事務処理フローの転換等により、当初開発したシステムのままでは正しく処理できない事象が生じた。
不具合発生の都度、システム開発を担当した職員が自らシステム保守を行うことで、申請不備の傾向や事務処理フローの転換をリアルタイムに関係者間で共有し、業務の遅延を生じさせることなく、円滑な慰労金支給を実現した。


4.ソリューション完成後の成果や効果

早期に開発した重複申請自動チェックシステムを活用し、8月から1月までの間に受け付けた、約13万人分の申請から、延べ236人分(約1,530万円相当)の重複申請を抽出し、重複支払いを未然に防止した。
これにより、毎月行う申請者の資格審査業務や支払い後の訂正及び返還処理業務について、約13,400時間(約17人相当)を削減した。
その結果、慰労金を必要とする従事者への迅速かつ適正な支給を実現した。
また、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の支給事務は終了したものの、今回作成したプログラムを基礎として、集計対象箇所をその都度容易に設定できるような汎用システムへと発展させることで、今後慰労金と同様に異なる様式間での重複確認や一括集計が必要な業務においても幅広く活用することができる。


5.横展開に当たってのアドバイスや共同利用可能性

VBAによる開発事例をライブラリ化する等の方法により、本システムを含め、業務改善に繋がるプログラムを共有し、さらに各ユーザがアレンジを加えることで幅広い業務に活用することができる。
ただし、操作者の想定していない挙動を起こし、場合によっては操作する端末やネットワーク等に悪影響のあるプログラム(マルウェア)も作成可能であるため、セキュリティ面での課題等、留意する必要あり。