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タイトル | 災害時の信号機滅灯対策 |
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施策・事業名称 | 信号機監視システムによる災害時の信号機滅灯対策 |
都道府県名 | 福岡県 |
分野 | 防災・危機管理 |
事業実施期間 | 令和3年7月12日~ |
施策のポイント | 災害による信号機の停電などの異常の早期把握と信号機の早期復旧を目的として、信号機に監視システムを構築したもの。 |
内容 |
1 概要 近年、全国各地で大規模自然災害が発生し、本県においても、平成29年の九州北部豪雨をはじめ、令和2年7月豪雨、台風などによる様々な被害が発生している。 そのような状況のなか、停電等による信号機の滅灯事案は交通事故発生の危険性が生じるほか、円滑な交通流にも支障を及ぼす可能性が高いことから、的確に現場措置を講じて交通環境への影響を最小限度に抑えるために、信号機に監視装置を設置し、通報等よりも迅速に停電による異常情報を入手することができる信号機監視システムを整備したものである。 2 現状の課題と解決策 本県において設置されている信号機のうち、約2割は警察本部内の管制センターと通信回線で結ばれコンピューターで運用管理されている集中制御信号機であり、信号機の異常を短時間に管制センターで把握することができる。 しかし、本県信号機の約8割を占めている単独制御信号機については、通信機能が搭載されていないことから、停電等の異常が発生した場合の認知は外部からの通報によるところが大きく、警察が異常状態を認知するまでにかなりの時間を要しており、いかに早く信号機の異常情報を入手するかが課題となっていた。 そこで、単独制御信号機の制御機内に監視装置を接続し、装置から停電発生情報を発信することにより、管制センターへ通知する信号機監視システムを整備することとした。 3 具体的方法 単独制御信号機の制御機内に通信機能及び小型バッテリーを内蔵した電力監視装置を接続し、停電等により制御機内に電気供給がされなくなった場合に停電発生情報を、電気供給が復旧した場合には停電復旧情報を発信し、インターネットを通じ電子メールにて管制センターへ通知するようにした。 電子メールは管制センターに設置されているインターネットパソコンに通知されるが、勤務員が電子メールの確認を失念することがないようにパトライトを設置し、停電発生メール受信時はブザー音とともにパトライトの赤ランプが点灯し、停電復旧メール受信時はブザー音とともにパトライトの緑ランプが点灯するものとした。 また、電子メールの内容は時間帯に関係なく管轄警察署にも通知することとしており、警察本部と警察署が連携して対応することとした。 4 試験運用の実施 運用に向け開発の信号機メーカーとの協議を重ねたところ、無線通信回線を利用していることから、山間部においても確実に電子メール発信をすることができるか、屋外へ設置してある制御機内への設置に機器が耐えられるか等の懸念もあったことから、事前に管制センター付近の市街地、過去の水害被害箇所及び山間部の県内3箇所を設定し試験運用を実施した。 試験運用箇所からの電力供給停止時におけるメール発信は、いずれの箇所も瞬時に行われており、懸念していた山間部からの発信については、外部アンテナの設置により良好に受信することができた。 5 効果等 試験運用後、令和3年度には単独制御信号機が設置されている主要交差点45箇所にシステムを整備し本運用を開始しているが、システム導入以降、運用箇所において大規模災害や停電は発生していない。 システム導入前における停電発生時の信号機滅灯認知は通報によるものがほとんどであり、停電発生から認知まで数時間を要するものもあったことから、システム導入による認知時間の短縮効果は大きく、信号機滅灯箇所への迅速な警察官や資機材の配置が可能となり、信号機滅灯箇所における交通事故等発生の危険性を低下させることが可能となった。 その後の追加整備により、令和5年度には、運用箇所は100箇所となるが、今後も、単独制御信号機のうち、必要かつ設置効果が高いと認められる箇所への整備を予定している。 |
本件問合先 | 警察本部交通部交通規制課 |
092-641-4141 | |
kotsukisei@police.pref.fukuoka.jp |