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タイトル 牧草用作業機械の改良
施策・事業名称 牧草用作業機械の改良
都道府県名 三重県
分野 環境
農林水産
事業実施期間 令和3年4月1日~令和4年3月31日
施策のポイント 大家畜研究課では、業務の改善・改革を通じて、職員の意欲や能力の向上に取り組んできました。その中で、今年度、牧草の種播き作業を大幅に省力化できる作業機を開発しました。
本機は、耕起(土を耕す)・施肥(肥料を与える)・播種(種を播く)・覆土(種に土をかぶせる)の作業を同時に行うことが可能で、作業時間を約80%、燃料を約40%削減できる画期的な作業機です。
内容 <取組概要>
牧草の種まき作業の省力化を図るため、一般的に行われている耕起(土を耕す)・施肥(肥料を与える)・播種(種を播く)・覆土(種に土をかぶせる)に至る4つの作業体系を見直し、各作業を同時に実施できる作業機を開発しました。開発した作業機は、(1)熟練の操作技術を必要としないこと、(2)隣り合わせで接する畑に種子や肥料が飛散しないこと、(3)開発したばら播き機構を装着することで均一な種播きが可能であること、(4)作業時間を約80%、燃料消費量を約40%削減できることなど、種播き作業を画期的に省力化できるとともに、温室効果ガスの削減やSDGsにも寄与できる取組です。

<現状や課題、設定した目標>
牧草の播種作業は、耕起・施肥・播種・覆土・鎮圧に至る多数の作業工程で実施されており、トラクタへの各種作業機の付替えや作業機の操作に熟練技術が求められることから、新たな省力的作業体系を確立して、業務改善を進める必要がありました。
そこで、現状の多種多様な作業機を一体化して単純化を図るとともに、熟練技術を必要とせずに作業の省力化を実現できる複合型の播種機の開発を目指しました。

<取組の検討プロセス、改善点等>
各種作業機を組合せた試作機を作製し、操作性、作業精度、安全性を検討しました。また、作業機を組合せるための連結部品についても独自に開発しました。耕起作業は、土を深く耕すロータリー方式から浅く耕す削耕方式に代えることで、トラクターへの負荷を低減し、作業速度や燃費向上を図りました。また、牧草は、圃場全体に均一に播種する必要があるため、散播(ばら播き)に対応できる装置を開発し、複合型播種機に搭載しました。

<効果・成果>
開発した複合播種機は、耕起・施肥・播種・覆土の作業工程を同時に実施することが可能であり、作業時間を約80%(従来体系は播種前日の耕起作業を含む)、燃料消費量についても約40%低減できました。また、複合型播種機の操作や作業方法に高度な技術は必要なく、作業の単純化と安定した作業性を実現できました。
散播装置を取り付けた複合型播種機は、牧草種子を圃場全体に均一散布することが可能であり、隣接する畑への種子や肥料の飛散を防止できることも特筆すべき点です。
なお、今回開発した複合型播種機と散播装置は、特許等の知的財産権の申請を検討中です。

<工夫した点や苦労した点>
複合型播種機に最適な播種機を選定する際、数種類の播種機を用いて何回も試作を繰り返したことです。
本件問合先 三重県畜産研究所大家畜研究課
0598-42-2029
tikuken@pref.mie.lg.jp