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タイトル 狭山茶生産に資するICT技術の研究開発
施策・事業名称 狭山茶DX推進研究事業
都道府県名 埼玉県
分野 農林水産
事業実施期間 令和4年4月1日~令和9年3月31日
施策のポイント 埼玉県の特産品である狭山茶の産地では、近年茶園の集積により大規模化が進んでいるが、茶園の多くは散在しており、生育や病害虫の発生状況の確認が茶業者の大きな負担となっている。
そのため、生育管理データ等の収集や解析にICTを活用し、新たな茶生産の実現に向けた試験研究を実施する。
内容 ・狭山茶産地におけるICT活用実証試験
  茶園管理の効率化や茶葉の品質向上等を図るため、生育管理データ等の収集や解析にICTを活用し、新たな茶生産の実現に向けた試験研究を実施する。
①環境センサデータによる適正管理と作業効率化の検討
  温湿度、風向風速、雨量、土壌データを複合的に解析し、適正な肥培管理
  や病害虫の適期防除ができるようになることで収量増を目指す。
  在宅のまま葉の乾湿状態を把握することで、適期収穫のための茶園見回り
  時間の削減を図る。
②画像解析による害虫発生予察と適期防除
  画像による生育状況確認により茶園見回り時間の削減を図る。
  画像・環境データ解析で病害虫の適期防除を目指す。
③防霜ファンの遠隔操作による労力軽減と消費電力低減
  温度データの活用と防霜ファンの確実な稼働により、収量減を回避。
  防霜ファンの気温差制御、遠隔監視により消費電力の削減を図る。

・推進事業
  狭山茶DX推進会議を開催し、茶業者や通信メーカー等と意見交換や技術の効果検証を行う。

ⅰ 職員又はグループがソリューション開発に着手した経緯・動機 
   鶴ヶ島市農業大学校跡地にLPWAのアクセスポイントが設置されることになり、茶業でどのような活用ができるか検討したところ、茶園に各種センサーを設置しモニタリングを行うことで、生育に合わせた効率的な作業や効果的な病害虫防除等が実現できると判断し着手することとなった。
ⅱ ソリューション開発の過程
  汎用のセンサーを茶園内で使えるように改造。またその制御・通信プログラムの書き換えも独自で行い、茶研内での試験運用を経て、現地ほ場に段階的に導入していった。
ⅲ 完成に至るまでに直面した問題・課題、その解決方法
 情報工学の知識を持たない茶業研究所職員が、センサーの改造、プログラム書き換え、通信の送受信等にイチから取り組んだ。
ⅳ ソリューション完成後の成果や効果
各種センサーによる茶園のモニタリングについては、晩霜害への警戒のための茶株面の最低気温の配信を端緒に現場に受け入れられ、クワシロカイガラムシの防除適期予測、新芽生育予測へと活用範囲が広がっている。
 また、通信規格についても、LPWAから令和4年秋に利用が解禁された広 域WiFi11ahを日本で初めて茶園管理に応用する取組を始めている。11ahは大容量データを扱えるので、画像データによる病害虫適期防除への応用や、適期作業を行うための茶園見回りの削減等への活用が期待されている。
ⅴ 横展開に当たってのアドバイスや共同利用可能性
茶業のDX化に向けた研究を進めているが、同地区の野菜生産等にも応用ができる可能性がある。
本件問合先 農林部生産振興課
048-830-4146
a4130-02@pref.saitama.lg.jp