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タイトル 河川水位等を予測する「リアルタイム水害リスク情報システム」の構築と水害リスク情報の拡充
施策・事業名称 「リアルタイム水害リスク情報システム」の構築
都道府県名 群馬県
分野 防災・危機管理
事業実施期間 令和3年4月1日~
施策のポイント 群馬県では、河川の水位上昇や浸水発生の水害リスクを早期に把握するために、36時間先までの河川水位、6時間先までの浸水範囲等をリアルタイムで解析・予測する「群馬県リアルタイム水害リスク情報システム」を開発した。
予測情報は、県や市町村等の行政機関で共有し、洪水・氾濫が予想される際に市町村長による迅速かつ的確な避難指示発令や早期の水防活動を実施するための判断材料として活用する。
内容 <ソリューション開発の取組>
1 職員がソリューション開発に着手した経緯・動機
県が管理する中小河川の多くは水位上昇速度が速く、避難リードタイムを考慮した基準水位の設定が困難で、避難計画等を検討するうえでの課題となっていた。そのため、水害リスクを早期に把握することを目的に河川水位や浸水発生等を予測するシステムの開発に着手した。

2 ソリューション開発の過程
開発段階で試験運用(1年目:モデル地区2箇所、2年目:県内全域)を行い、予測精度の検証やシステム操作性の確認を行った。システム利用者にアンケートやヒアリングを行い、新機能や表示項目の追加、利用しやすい画面構成への修正等のシステム改良を行うなど、実際に水防業務に従事する職員にとって利用しやすいシステムを構築した。

3 完成に至るまでに直面した問題・課題、その解決方法
試験運用段階では、ゲリラ豪雨が発生した際に市街地河川の水位が急激に上昇し、本システムの予測結果と乖離がみられるなど予測精度に課題があったが、実際に観測された雨量データや水位データをもとに予測モデルの調整を行うことで、ゲリラ豪雨のような短時間・高強度の降雨でも精度の高い予測が可能となった。
運用開始後も、更なる予測精度向上のため、適宜予測モデルの調整を行う予定である。

4 ソリューション完成後の成果や効果
本システムにより早期に水害リスクを把握することが可能となったことから、迅速かつ的確な避難指示発令や水防活動の実現が期待される。
また、県や県内自治体職員等の水防業務で、本システムを活用した伝達作業等が一括して行えるようになり、業務の迅速化・人為的ミスの排除・作業量の軽減を目的とした業務DX化を推進した。

5 横展開にあたってのアドバイスや共同利用可能性
本システムは民間クラウドサーバ上に構築されており、県職員のほか、水防業務を担う県内自治体、消防、警察、気象台の職員などが利用可能な行政機関向けサイトと、予測情報のない一般公開用サイト「かわみるぐんま」を公開している。
本システムに必要となるサーバ容量や計算処理速度の確保、自治体以外からのアクセシビリティ、災害発生時等のアクセス集中対策等の条件が合致すれば、自治対共同クラウドサーバでの運用も可能。

<背景・経緯>
群馬県では、河川の水害リスク情報の拡充を図るため、全ての県管理河川の洪水浸水想定区域の公表のほか、危機管理型水位計や簡易カメラの設置などに取り組んできた。
しかしながら、観測では現況の河川水位等しか把握することができず、今後どの程度水位上昇するか予測することは困難であり、市町村が避難指示発令等を判断するうえでの課題となっている。
このため、河川の水位上昇や浸水発生の水害リスクを早期に把握するために、36時間先までの河川水位、6時間先までの浸水範囲等をリアルタイムで解析・予測する「群馬県リアルタイム水害リスク情報システム」を開発した。

<目的・ねらい>
本システムの予測情報を市町村等に提供することで、市町村等による迅速かつ的確な避難指示発令や早期の水防活動を支援する。また、これまで水防活動時に行っていた手作業での通知文作成や電話での受信確認等の伝達業務をシステム化することで業務の迅速化・人為的ミスの排除・作業量の軽減を図る。

<事業の概要>
気象庁が公表している降雨量予測データを取り込み、全ての県管理河川の36時間先までの河川水位・6時間先までの浸水範囲等を10分間隔で予測し、市町村等の行政機関を対象に情報提供する。
膨大な作業量となる水防活動時の伝達業務をシステム化し、各種通知文の自動作成、メール・WEBによる通知、システム上での送付履歴・受信状況の確認などが行える機能を実装した。
河川水位等の予測情報のほか、個々のウェブサイトで公開されている水位計や河川カメラ等の各種防災情報も本システムに集約し、複数の防災情報を同時に閲覧することができるよう改善を図った。
なお、河川水位等の予測情報は、気象業務法により一般公開できないため、行政機関用ウェブサイトとは別に作成した一般公開用ウェブサイト「かわみるぐんま」を通じて一般向け防災情報の発信を行う。

<実績・効果>
気象庁の降雨量予測データや国・県の観測所データを自動的に取り込み、河川水位や浸水範囲をを予測するシステムを構築し、令和4年4月から運用を開始した。

<今後の取組>
運用開始後も適宜システム改良を実施し、引き続き予測精度の向上に取り組む。
本システムの予測情報を活用した市町村の避難計画やタイムライン作成を支援する。
関係機関との連携を進め、更なる防災情報の集約、拡充に取り組む。
水位予測画面のイメージ
水位予測画面のイメージ
水防警報システム
水防警報システム
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本件問合先 県土整備部河川課
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