平成26年04月 上田清司埼玉県知事

ああ   観測史上最高の積雪を記録した2月14日から15日の大雪により、本県でも大きな農業被害が発生しました。そこで、被災農業者を支援するため、平成26年度の補正予算として約100億円を計上しました。再生をかけて全力で頑張っておられる生産者の皆さんを、県としてもできる限り支援していきます。

   さて、日本経済は円高の是正や株価の回復に加えて、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催決定などにより、景気の「気」は改善してきました。この良い流れを大きな潮流に変え、確実な成長軌道につなげていくことが今年の最大の課題です。私は平成26年度予算を「次世代創出予算」と名付けました。新たな人材や産業の育成、雇用機会の拡大などを県内経済の確かな成長へとつなげ、成果を未来へつなげていこうとする意気込みからです。これを実現するためには、「通商産業政策の地方分権化」が欠かせません。ここで言う「分権化」とは、経済のグローバル化に伴い国際競争が激化している中、通商産業政策を国に任せるのではなく、地域の実情を熟知する自治体が機動力を発揮して主体的に地域の産業や雇用を創出していくことで日本の競争力を高めていこうとするものです。

   これを具体化する取り組みとして、平成26年度、本県は次世代産業・先端産業の分野に参入する県内企業への支援体制を強化します。このうち新規事業である「先端産業創造プロジェクト」では、先端産業の種、いわゆるシーズの発掘から研究開発、事業化に至るまで一貫したサポートを行います。有望な先端シーズや県内中小企業の優れた技術を確実に事業化へとつなげるには、専門的な目利きや技術支援が欠かせません。そこで、本年2月には全国に先駆けて「独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)」、及び「独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」と先端産業の育成に関する協定を締結しました。両機関は先端技術に関する豊富な情報、技術評価の目利き、開発支援の技術力・資金力を有しています。一方、県は製品開発や企業立地への機動的な支援ができます。これらを効果的に結び付けることで、新たな成長産業の創出を目指します。さらに、県内金融機関の協力を得て、「先端産業創造プロジェクト」と連携して資金調達の面からも県内企業を支援する仕組みをつくりました。それぞれが協力して専門性を発揮し、県内の次世代産業・先端産業の種を産業集積へと大きく育てていきます。

   埼玉県は鉄道、新幹線、高速道路など交通の便が良く、ロケーションに恵まれています。また、約300もの研究機関・大学が集積し、高度な技術を持った人材が豊富です。こうした高いポテンシャルを最大限に生かしながら、日本の再生をリードしていく気概を持って、「通商産業政策の地方分権化」の具体的な成果を挙げていきたいと考えています。