平成27年10月 黒岩祐治神奈川県知事

経済のエンジンを回すマグネット神奈川とは

   神奈川県は日本の縮図です。横浜や川崎といった大都市もあれば田園地帯もあります。丹沢などの本格的な山もあれば、湘南などの海もあります。さらに箱根は日本有数の大温泉地であり、鎌倉は世界中から観光客が訪れる古都です。

   また、それぞれの市町村の住民が自分の街に強烈な誇りやプライドを持っていることも神奈川県の大きな特色のひとつです。私は磁石のようにヒト、モノ、カネを引き付け、行ってみたい、住んでみたいと思われる「マグネット神奈川」を目指していますが、もともと強いマグネットの潜在力を持っているのが神奈川県です。私はさらにそのマグネット力をさらに強くしていきたいと思っています。

   そのために今、全県をあげて取り組んでいるのが超高齢社会への対策です。本県は「最先端医療・最新技術の追求」と「未病を治す」という2つのアプローチを融合させた「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取組みにより、健康寿命日本一とともに、新たな市場・産業の創出を目指しています。「未病」とは、「健康」と「病気」を2つに明確に分けられる概念として捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え、このすべての変化の過程を表す概念です。

   この「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取組みを一層加速させるため、本県全域が指定されている「国家戦略特区」や、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」及び「さがみロボット産業特区」という3つの特区を最大限に活用します。

   特に、本年度は、10月22日、23日の2日間で「未病サミット神奈川2015in箱根」を開催します。この世界初のサミットで、「ME-BYO(未病)コンセプト」を世界に向けて発信し、未病を治す神奈川モデルを国内外に広めていきたいと考えています。このサミットのシンポジウムでは、未病の産業化戦略や新たな社会システムなどをテーマに、活発な意見交換を行い、多くの分野の人や組織の連携交流を活性化させます。また、シンポジウムに先立ち、10月14日から16日の3日間、最新の未病に関する商品・サービスを一堂に集めた展示会「ME-BYOJapan2015」を横浜で開催します。

   さらに、東京2020オリンピック競技大会のセーリング競技会場が神奈川県の江の島に決定しました。2019年にはラグビーワールドカップの決勝戦も行われます。この機会を最大限活かすべく、国際観光戦略を加速していきたいと考えています。文化芸術のチカラで集客を図るマグネット・カルチャー(マグカル)事業についても、国際観光の目玉にしたいと着々、準備を進めています。

   超高齢社会だけでなく、日本にはたくさんの課題があります。原子力発電に依存しすぎない新しいエネルギー体系、地産地消の分散型エネルギー体系も作っていかなければなりません。神奈川発のエネルギー革命はこれからが本番です。課題を克服するプロセスによって、経済のエンジンを回していく、それが神奈川モデルです。一枚岩の神奈川だからこそなしうる挑戦、結果を注視していただきたいと思います。