平成27年12月 西川一誠福井県知事

「幸福度日本一」を人口問題解決の原動力に

   本県においては、2000年をピークに人口減少が進んでおり、幸福を支える社会的な基盤が大きく損なわれようとしています。本県では、人口減少を克服し地方創生を実現するため、10月末に「ふくい創生・人口減少対策戦略」を策定しました。

   この戦略における本県の特徴的な考え方を3つ挙げます。

   1つ目は、幸福度日本一を人口問題解決の原動力としたことです。

   本県は、大学や民間シンクタンクの調査において、「県民幸福度」と「子どもの幸福度」のダブル日本一という輝かしい評価を得ています。子育てや学力・体力、雇用、安全・安心などを示す指標において全国トップクラスとなっていることが評価されたためです。

   人口減少対策の究極の目的は、人口の増加とともに「住む人」「来る人」の幸福を向上することです。「幸福度日本一」の本県は、どの都道府県よりもこの目標の実現に近い環境にあることから、幸福度を高める政策と人口増加対策の間に良い循環を作ることを目指します。

   2つ目は、新しい人口の考え方です。「ふるさと納税」を納めてくれた人や県外に住む本県出身者、福井に貢献している人など「ふるさと福井」への想いを共有する人々を「愛着県民」として人口を考えます。このような人々を新たな県民と捉え、最終的には、定住の増加につなげていきます。

   3つ目は、人口減少への政策を従来の行政の領域を超えて「徹底」することです。

   本県は、結婚への支援などに行政が立ち入ることが全国的に少なかった時代から、迷惑ありがた縁結びや企業子宝率、3人っ子の支援などの政策を全国に先駆け実行してきました。更に今後は、本県に寺が多いことを活かしたお坊さんによる縁結びや、企業・メディアをまきこんだ幸せ家族CMの活用、東京と福井での生涯の暮らしを比較したライフデザイン設計書など、政策をさらに徹底していきます。

   戦略では、「幸福な暮らしの維持・発展」を第一に、自然減・社会減対策、産業振興や交流人口の拡大、まちづくりなど合わせて5つの基本戦略を掲げています。この実行により、国立社会保障・人口問題研究所の2040年時点の人口見通し63万人を実現するとともに、人口置換水準の出生率2.07と社会減ゼロを条件とする68万人に近づくよう努めていきたいと考えています。

   また、こうした地方の努力が実を結ぶには、国の役割が重要です。本県では、国の法人税改革において東京と地方の実効税率に実質的な差を設ける「ふるさと企業減税」など、人や企業の地方分散について、国に対する積極的な政策提言を行っています。

   本県としては、地方創生、一億総活躍等の国の施策も十分活用しながら、幸福度日本一の基盤を土台に、全国のモデルとなる活力あふれるふるさとを目指していきます。