平成28年09月 溝口善兵衛島根県知事

溝口島根県知事   人口減少が大きな課題となっています。これは、高度経済成長期に東京などの大都市に産業集積を図り、地方から多くの若者が働きに出かけ、大都市が発展したことが要因です。若者が集まる大都市では子育てが難しく、子育てがしやすい地方では若者が少ないという副作用により、このままでは、日本全体が人口減少のスパイラルから抜け出せません。

   この人口減少に歯止めをかけ、しまねの地方創生を目指す戦略として、昨年「島根県総合戦略」を策定し、4つの基本目標と関連施策を掲げて取り組んでいます。

   このうち、観光と移住・定住・ひとづくりについて紹介します。

   第一に、観光についてです。

   島根は、豊かな自然、古き良き文化・歴史が残っています。

   縁結びの神様として知られる出雲大社、世界遺産の石見銀山、石見神楽、昨年国宝に指定された松江城、隠岐世界ジオパークなどがあります。

   このほか、津和野は、江戸時代の街並みを保存し、「山陰の小京都」と呼ばれていますが、幕末の風景や風習などを描いた「津和野百景図」と現在とを対比させながらまち歩きを提案したことが評価され、昨年「日本遺産」に認定されました。

   また、雲南市、安来市、奥出雲町は日本古来の鉄づくり「たたら製鉄」で栄え、今日もなお日本刀の原材料「玉鋼(たまはがね)」がつくられています。原料の砂鉄の採取跡地を稲田に再生し、燃料の木炭を生産するため植林を進め、人と自然が共生する持続可能な産業を築いてきた歴史・文化が評価され、4月に「日本遺産」に認定されました。

たたら操業を見学する映画「たたら侍」出演者 小林直己さん(EXILE 三代目 JSoul Brothers)   来年夏には、たたらを題材にした映画「たたら侍」が公開される予定であり、10月2日まで雲南市で映画のロケ地を利用した観光イベントが行われています。

   これらの豊富な資源を最大限に活かして、観光の振興を図っていきます。

   第二に、移住・定住とひとづくりについてです。

   移住・定住については、以前から「ふるさと島根定住財団」を中心に、県外の大学との就職支援協定や、移住希望者の農業体験の支援など、きめ細かな施策を行っております。近年都市部から島根への移住を希望する人が増えており、これまでの取組みが実を結びつつあります。

   また、高校と町村が一体となって県立高校の魅力化を図り、県外生の「しまね留学」を呼びかける取組みを全国に先駆けて行ってきました。今年の県立高校入学者のうち県外出身者は、3年前の1.5倍に増え、こちらも良い方向に進んでいます。

   これからも、地域の魅力を高め、地域の実情に合った施策を推進し、「子育てしやすく 活力ある 地方の先進県 しまね」を目指してまいります。