平成29年02月 尾﨑正直高知県知事

尾崎高知県知事   高知県は、人口の減少が県内市場の縮小を招くことにより若者がさらに県外に流出し、人口減少が加速するといった「人口減少による負のスパイラル」をたどってきました。

   こうした本県の根本的な課題に真正面から向き合い、下降を続けていた本県経済を上昇に転じさせるため、「地産外商」を戦略の柱とする「高知県産業振興計画」を策定し、官民一丸となって取り組んでいます。

   これまでの第1期計画(平成21年度~23年度)、第2期計画(平成24年度~27年度)の取り組みを通じて、地産外商が大きく進み、生産年齢人口が減少する中でも各産業分野の産出額等が上昇傾向に転じてきました。

   また、昨年は、統計史上初めて年間を通して有効求人倍率が1倍を超えるなど、一定の手応えも感じられたところです。

   こうした流れを一過性のものとせず、引き続き人口が減少する中にあっても、県勢浮揚を成し遂げるためには、「地産外商の取り組みをさらに強化し、その流れをより力強い拡大再生産の好循環へとつなげていく」ことが重要です。

   本年度からスタートした第3期計画(平成28年度~31年度)では、特にこの「拡大再生産の好循環」を実現するために、

①様々な分野における担い手を育成し確保する取り組み

②地域地域で関連産業の集積を促す地域産業クラスターを形成する取り組み

③起業や新たな事業展開の促進等により継続的に活力を創出する取り組み

の3つの柱に沿って施策を抜本強化し、全力で取り組みを進めています。

 

   また、新たに、IoTやAIといった分野にも具体的な挑戦を始めています。

   IoT関連産業の育成は、決して都会の専売特許ではなく、田舎における様々な不便、不利の克服につながる取り組みでもあると考えています。

   本県のように、「人が少ない」、「使える土地が狭い」といった制約条件が多い地域だからこそ、IoTやAIなどの新技術を第一次産業の生産性の向上、中山間の暮らしの向上、防災などに積極的に活用し、そこで得たノウハウを産業化することによって、「田舎版IoT」のトップランナーになることを目指していきたいと考えています。

 

   加えて、産業振興計画では観光振興の取り組みにも力を入れています。

   本年は江戸幕府が政権を朝廷に返上した「大政奉還」から150年、来年は「明治維新」から150年の節目の年に当たります。

   京や江戸から遠く離れた地でありながら、坂本龍馬をはじめ多くの偉人を輩出した本県において、幕末維新期を辿る本物の歴史資源の意義深さを伝えるべく、歴史を中心とした博覧会「志国高知 幕末維新博」を本年から2か年にわたって開催します。

高知県歴史博物館   開幕日の3月4日には、博覧会のメイン会場である「高知県立高知城歴史博物館」をオープンし、このほど新たに発見された坂本龍馬が暗殺される直前に記した手紙や、国宝・重要文化財を含め約6万7千点もの資料の中から幕末維新をテーマとした選りすぐりの資料を展示してまいります。

 

   あわせて、県内の地域地域に数多く残る歴史資源をさらに魅力的なものに磨き上げるとともに、高知らしさが溢れる周遊コースを整備することなどによって、県内全域の魅力を底上げし、持続可能な観光振興につなげていくことを目指しています。

   さらに、鹿児島、山口、高知、佐賀の4県で構成する「平成の薩長土肥連合」を一昨年来結成しており、「薩長土肥」の知名度を生かしたPR事業などを行うことなどによって、明治維新150年をより一層盛り上げてまいりたいと考えております。

   この機会に、ぜひ全国の皆様にも、偉人達を育んだ土佐の風土・文化や地域の食・自然などを感じていただきたいと思っています。皆様のお越しを心よりお待ちしております。