平成29年03月 蒲島郁夫熊本県知事

熊本地震からの創造的復興を目指して

知事は語る17年3月   昨年4月、震度7の地震が立て続けに二度も襲い、未曾有の被害をもたらした熊本地震から、間もなく1年が経過します。これまで、日本全国、そして世界中の皆様から数多くの温かい御支援をいただき、心から感謝申し上げます。

   熊本県では、多くの方々からの御支援を力に、①被災された方々の痛みの最小化、②創造的な復興、③復旧・復興を熊本の更なる発展につなげるという3原則を基本に、全力で取り組んできました。

   被災された方々の「住まいの確保」については、昨年11月に応急仮設住宅の建設が完了し、全ての指定避難所が解消されました。現在、家屋等の公費解体の加速化や本格的な住宅の自立再建の段階に移行しています。

   経済・産業面においては、復旧費用の4分の3を補助する「グループ補助金」を活用した被災企業の復旧支援や、「九州ふっこう割」による観光需要の喚起の効果もあり、地域経済は回復基調です。

   さらには、大きく傷ついた阿蘇へのアクセスルートも、俵山ルート(県道熊本高森線)が昨年末に暫定開通し、阿蘇くまもと空港から南阿蘇へのアクセスが容易になりました。阿蘇への大動脈である国道57号は、国の御尽力のもと、現道の復旧と併せ北側復旧ルートの工事も進められています。このように、復旧への歩みは着実に前進しています。

   昨年12月、蒲島県政3期目の基本方針となる「熊本復旧・復興4カ年戦略」を策定しました。今年は、この戦略を基に、復興に更なる弾みをつけ、創造的復興を加速化するため、次の「4つの創造」に取り組みます。

   まず、「安心で希望に満ちた暮らしの創造」、特に「住まいの創造」です。本格的な住まいの再建の段階に入り、低価格で耐震性に優れた「くまもと型復興住宅」による住宅の自立再建を後押しや、“あんしん”“あたたかさ”“ふれあい”の3つの視点により、市町村と連携した災害公営住宅の整備を促進します。被災された方々にできるだけ早く安心していただけるよう、一日も早い生活再建を進めていきます。

   次に、「未来へつなぐ資産の創造」です。国道57号、国道325号阿蘇大橋といった阿蘇へのメインルートの早期回復を目指すとともに、九州の横軸となる幹線道路ネットワークの早期完成につなげていきます。

   3つ目に、「次代を担う力強い地域産業の創造」です。「グループ補助金」の活用による被災企業の経営再建を進めるとともに、農業においても、被災した農地の大区画化や担い手への農地集積などを進め、“強い農業”“稼げる農業”を実現していきます。

   最後に、「世界とつながる新たな熊本の創造」です。阿蘇くまもと空港は、熊本地震からの「創造的復興のシンボル」として、運営を民間に委託する「コンセッション方式」を導入し、国内線・国際線ターミナルビルの一体的整備と耐震化に取り組みます。さらには、先日、国際クルーズの新たな拠点形成を図る港湾の一つとして、八代港が選定されました。今後、世界第2位のクルーズ船社であるロイヤル・カリビアン・くまモンクルーズ社との連携のもと、八代港に、世界に誇る魅力的なウォーターフロントを創出するとともに、世界的なクルーズ拠点へと転換していくプロジェクトを進めます。

   このような施策を着実に推進し、県民の皆様と一体となって、熊本の将来の発展に向けた創造的復興に取り組み、「将来世代にわたる県民総幸福量の最大化」を目指して参ります。

   今後とも、皆様の御支援・御協力をよろしくお願いいたします。