平成29年04月 石井隆一富山県知事

29年4月 石井富山県知事   約2年前に開業した北陸新幹線の乗車人員は開業前の3倍近い高い水準が続き、富山県でも、観光入込み客等の大幅増加、企業の本社機能の一部や研究開発拠点の移転・立地、大型商業施設の進出など様々な開業効果が現れています。また、これまでの行財政改革の取組み等により、平成28年度予算編成において、12年前に約400億円とされた構造的財源不足を解消するとともに、県債残高が約半世紀ぶりに減少に転ずるなど、富山県は新しい未来を切り拓く絶好のチャンスを迎えており、平成29年度には新たな総合計画の策定も予定しています。

   こうした節目に編成した平成29年度の当初予算「とやま新時代 県民活躍予算」は、富山県の新たな飛躍・発展を目指し、「活力」、「未来」、「安心」の基本政策とこれらを支える重要政策「人づくり」を骨格とする諸施策を総合的、戦略的に展開するための積極的な予算としました。

   具体的には、「活力とやま」については、①IoTの導入など第4次産業革命への対応と中小企業の振興、②次世代自動車、航空機、医薬・バイオなど新たな成長産業やデザインなどクリエイティブ産業の育成、③富山米新品種戦略の推進、園芸など1億円産地づくりの加速化など生産性・付加価値の高い農林水産業の振興、④「海のあるスイス」を目指した「立山黒部」の世界ブランド化や、3年前に「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟承認された美しい富山湾を活かした取組みなどを進めます。

富山県美術館   「未来とやま」については、①女性をはじめ県民活躍と働き方改革の推進、企業子宝率の調査・活用、不妊や不育症治療への助成など結婚・出産・子育ての願いがかなう環境づくり、②アートとデザインをつなぐ、世界で初めての「富山県美術館」の整備(8月26日開館)、国際北陸工芸サミット(仮称)の開催など芸術文化の振興、③首都圏等での移住情報の発信強化、立山砂防の世界文化遺産登録を目指した国際シンポジウムの開催、昨年11月にユネスコ無形文化遺産として登録された「高岡御車山祭」をはじめ三つの曳山の魅力発信などに取り組みます。


   「安心とやま」については、①医師、看護師の確保・充実、②在宅医療の充実や健康寿命日本一の推進、③地域包括ケアシステムの確立、④昨年のG7富山環境大臣会合で採択された「富山物質循環フレームワーク」を踏まえた食品ロス等の削減、ライチョウの保護、小水力発電、地熱資源開発調査などを進めます。

   また、「人づくり」については、①小学校4年生への35人学級選択制の導入や全国一の配置率である英語専科教員のさらなる拡充、ICT教育の推進、科学オリンピックの開催、②富山県立大学における医薬品工学科(平成29年4月)、知能ロボット工学科(平成30年4月)と看護学部の新設(平成31年4月)、③「とやま起業未来塾」、「とやま観光未来創造塾」、「とやま農業未来カレッジ」の開催などに取り組みます。

   このように富山県では、北陸新幹線開業後の「とやま新時代」にふさわしい新たな県づくりを進めており、幸い明るい兆しも少なからず見えています。例えば、少子・高齢化が進むなか、富山県の平成27年の合計特殊出生率は1.51となり、21年ぶりに1.5を超えました。また社会移動を見ても、平成20年度に約200名だった本県への移住者が毎年増加し、平成27年度には約2.3倍の462名と大幅増となり、しかも20~30代の方が72%を占めています。今や、富山県は、若い人や女性に選ばれる県の1つになりつつあり、今後、地方創生のフロントランナーとなり得る大きなポテンシャルがあるといえます。

   これからも、北陸新幹線の開業効果と、国の重要政策の1つとしていただけた「地方創生戦略」の2つを追い風として最大限に活かしながら、「県民一人ひとりが未来に夢や希望を持って、いきいきと働き暮らせる元気な県」として大いに飛躍できるよう、全国知事会や他の都道府県とも連携し、市町村も含め官民挙げて、計画的かつ戦略的に取り組んでまいります。