小笠原諸島世界自然遺産登録審査のための現地調査が行われました

 小笠原諸島の世界自然遺産登録に向けて、日本政府は今年1月に、ユネスコに対して世界遺産一覧表への記載のための推薦書を提出しました。この審査の一環として、ユネスコの世界遺産委員会の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)の専門家による現地調査が、7月3日から14日まで行われました。
 小笠原への出発に先立ち、IUCNのピーター・シャディー氏とナオミ・ドーク氏が、7月2日に石原知事を表敬訪問しました。表敬の冒頭で知事は、歓迎の意を表した後、「小笠原は一時限られた数ではあったが、観光客が来て荒れてしまった。都がレンジャーシステムをつくり、非常にきれいになった。」と小笠原諸島をPRしました。
 小笠原諸島には、世界自然遺産にふさわしい地質や生態系などの特徴があります。まず、地質に関しては、海洋プレートの沈み込みにより形成された島々を発生の初期段階から順に観察することができる世界で唯一の場所です。特に父島列島などは、海洋プレートの沈み込み初期に発生するボニナイト(無人岩)を陸上で大規模に観察することができます。また、大陸と地続きになったことがないため、乾性低木林など独自の進化をとげた島しょ生態系を有し、オガサワラオオコオモリ(動物)やムニンツツジ(植物)などの多くの固有種も生息しています。
 東京都は、これまで、小笠原の自然を復元・保全するために、東京都版エコツーリズムにより利用人数や利用ルートなどを厳しく制限したり、東京都レンジャーを活用したり、生態系を乱す野生化したヤギなどの外来種を排除するなど、さまざまな取組みを行ってきました。
 現地調査終了後、父島で記者会見した専門家は、都や地域住民、NPOが一体化して取り組んできた外来種対策を「素晴らしい」と評価しました。
 今回の現地調査結果は、IUCNにより評価報告書にまとめられ、世界遺産委員会に報告されます。その後、来年七月ごろに開催される世界遺産委員会で、世界自然遺産登録の可否が決定する予定です。