約100年の時を経て、余部鉄橋が生まれ変わりました

旧余部鉄橋

 今からさかのぼることおよそ100年、明治45年に完成した旧余部鉄橋(兵庫県美方郡香美町)は、地上からの高さが41.5m 、長さ310.6m 、鮮やかな朱色の外観が特徴で、鉄道ファンのみならず多くの人々に愛されてきました。兵庫県北部の山岳地域にあり、三方は山、もう一方は日本海に囲まれた厳しい地形にあったため、鋼材をやぐら状に組み上げた橋脚の上に橋桁を乗せるトレッスル式橋梁の工事は困難を極めたと言われています。

列車転落事故から安全性・定時性の確保へ

 昭和61年12月、突風にあおられた回送中の列車が余部鉄橋から転落。真下にあったカニ加工場を直撃して、工場従業員五人と列車車掌の計六人の尊い命が犠牲になりました。この事故をきっかけに、列車運行の安全性が一層問われて風速規制が強化され、その結果、度々列車の遅延・運休が生じ、JR山陰本線の定時性は著しく低下。地域の生活・産業等に多大な影響が及ぶことになりました。
 平成3年に、兵庫県、鳥取県を始め、沿線自治体等が集まり「余部鉄橋対策協議会」を設置。さまざまな視点から検討した結果、新橋梁への架け替えが決定し、平成19年5月に本格的な工事に着手しました。

新橋梁の完成

 本年8月12日に完成した新しい橋梁は、風速30m /秒まで運行可能な防風壁を備えており、列車の運休や遅れを大幅に低減する一方で、防風壁に透明アクリル板を採用し、車窓からの景色が楽しめます。また、鉄橋からコンクリート橋にしたことで、耐蝕性や耐震性が向上しました。
 11月には阪神間と但馬・鳥取東部地域を直行で結ぶ特急「はまかぜ」の新型車両も運行され、ますます利便性が高まります。地元の方々の日常の足として活用されるのはもちろんのこと、多くの観光客を運んでくれることを期待しています。

観光資源としての利活用

 旧鉄橋は、日本有数の近代土木遺産であり、貴重な観光資源でもあるので、架け替え後も一部を残し、平成24年度には、展望施設「空の駅」としてオープンする予定です。
 また、この地域には、外湯が名物の情緒あふれる城崎温泉や「夢千代日記」の舞台として有名な湯村温泉、夏には大勢の海水浴客でにぎわう竹野浜、特別天然記念物コウノトリが舞うコウノトリの郷公園に加えて、世界ジオパークネットワークへの加盟を目指している山陰海岸など観光資源が数多くあります。新橋梁の完成を契機として、兵庫県が実現を目指す但馬空港と羽田空港を結ぶ直行便など、交流の基盤となる交通インフラの一層の充実を図り、首都圏からの誘客につなげるとともに、広域観光を推進し、地域の振興を図っていきたいと考えています。

お問い合わせ
兵庫県交通政策課
電話番号 078-362-3886

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