「おかやまグリーンバイオ・プロジェクト」の推進に向けて

 岡山県では、地域のバイオマス資源を活用する新たな産業の創出により、地域経済の活性化と地球温暖化防止、資源循環型社会の形成を目指す「おかやまグリーンバイオ・プロジェクト」を展開し、これまでに産学官連携での新技術の開発や、未利用バイオマス資源の集積拠点「真庭バイオマス集積基地」の整備などを進めてきました。

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真庭バイオマス集積基地

◎超微粉砕技術の開発

 現在の最重点テーマは、木くずなど食料と競合しないセルロース系バイオマス資源を、高機能で付加価値の高い革新的新素材や、汎用的な石油代替燃料として利用するための効率的な超微粉砕新技術の開発です。バイオマスは、カーボンニュートラルの性質を有する再生可能資源であることに加え、あらゆる植物の骨格細胞を構成するセルロースには、鋼鉄の5倍の強度かつ5分の1の軽さという優れた特性があります。効率的な超微粉砕技術は、セルロース系バイオマスの優れたポテンシャルを引き出し、付加価値の高い材料に変換するための基盤技術であるとともに、バイオエタノールの製造コストを引き下げるキーテクノロジーでもあります。
 平成20年度に設立した産学官連携組織「セルロース系バイオマス超微粉砕技術研究会」には、関連の技術基盤を有する企業や研究機関はもとより、真庭地域の製材所や森林組合などの木材事業者で組織する真庭木材事業協同組合やバイオマスタウンを推進する真庭市が参画するなど、資源の供給元から製品製造までの関係者が集まっています。従来の粉砕技術の課題であったエネルギー、コストの問題に向き合いながら、革新的な破砕メカニズムや粉砕促進助剤、再生可能エネルギーの利用など、将来、事業化する上で必要となる一連の要素技術の一体的な開発を推進しています。

◎国との連携

 研究会では、昨年度、経済産業省「低炭素社会に向けた技術シーズ発掘・社会システム実証モデル事業」を実施し、真庭地域で製造される木材チップをマイクロメートルレベルまで効率的に微粉砕する技術や、超微粉砕に係る環境負荷を低減するための新エネルギーの制御技術等の技術基盤を構築しました。
 本年度からは、これまでの基盤を基に、岡山県を代表機関とする関係12機関で共同提案し、文部科学省科学技術振興調整費「気候変動に対応した新たな社会の創出に向けた社会システムの改革プログラム」に採択された「森と人が共生するSMART工場モデル実証」に5年間の計画で取り組みます。
 同実証では、効率的なナノファイバー製造技術や新エネルギーの複合利用技術の開発、真庭地域での新事業創出に向けた地域基盤形成、さらには、全国に普及可能な林工一体型ビジネスモデルを構築することにしており、去る7月30日には、参画機関の代表者など関係者が集まり、キックオフセミナーを開催しました。

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    キックオフセミナーでの参画機関の紹介の様子

 岡山県は、本事業の統括機関としての重責を担う一方で、独自の予算を確保し、平成16年度から活動している岡山バイオマスプラスチック研究会を研究開発の推進母体として、ナノファイバーを活用した製品化技術の開発などを積極的に進め、事業のシナジー効果を高めることで早期の事業化を図ります。

 「おかやまグリーンバイオ・プロジェクト」は、気候変動への対応という地球規模の課題に対する地域発のチャレンジでもあります。これからも、スピード感のある研究開発やプロジェクトへの賛同者を募る取組みを進め、低炭素社会の実現に大きく貢献したいと考えています。

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県内の大学の協力を得て制作したおかやまグリーン
バイオ・プロジェクトのシンボルマーク