岐阜県の鳥獣被害対策の取組を御紹介します。

 野生鳥獣による農林業被害が拡大しています。平成22年度の県内の農作物被害額は過去最悪の4億8千万円に上りました。

 昨年、県内3,785集落を対象に行ったアンケート調査によると、回答のあった集落のうち7割の集落で、イノシシやシカ等野生動物による農作物被害があることが分かりました。ほかにも農地や道路の破壊、車や鉄道との衝突事故、家屋への侵入等、数多くの被害が報告されています。

 一方で、被害を受けた集落のうち7割が、集落ぐるみの対策を取っていないことが分かりました。その背景には、過疎化や農林業従事者の減少・高齢化、狩猟者の減少、耕作放棄地の増加による鳥獣の生息地の拡大等が考えられています。

 こうした状況に鑑み、県としても、集落ぐるみでの被害対策の強化を進めていくこととしています。例えば、鳥獣被害に苦しむ地域を「重点支援地区」に指定し、対策のモデルづくりに取り組んでいます。今年度は昨年度の12地区に続き、新たに10地区を指定し、本県が開発した「猪鹿無猿柵」(※)を地区全体に設置するなど、複数の獣種に対応した防護対策に取り組んでいきます。

 また、地域内での話し合いが行いやすい冬期(農閑期)前の11月を「鳥獣被害対策推進月間」に位置付け、フォーラムの開催や鳥獣肉を活用したジビエ料理のPR等、各種啓発活動を集中的に展開することとしています。

 防護柵の設置や捕獲機材の導入に対する交付金措置等、市町村が行う取組への支援も強化します。

 なお、4月には、岐阜大学と「鳥獣対策の研究に関する寄附講座開設に係る協定」を締結しました。今後5年間にわたって、鳥獣の個体管理や被害対策等を調査研究していきます。県の寄附により、野生動物管理システム構築のための研究に関する寄附講座を地元大学に開設するのは全国初です。財源には、豊かな自然を保全していくため、今年4月1日に導入した県民税「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用させていただきます。

 ほかにも、遠隔操作で捕獲できる「落とし網」の実証実験、こんにゃく・とうがらし等、鳥獣の被害を受けにくい作物の調査研究も始めることとしています。

お問合せ
岐阜県広報課
電話番号058-272-1116

※猪鹿無猿柵...多獣種に対応する総合獣害防止策。イノシシ対策として高さ1mまではワイヤーメッシュ、その上にシカ対策として高張力プラスチック線を15cm間隔の高さで張ったものが基本構造。FRP支柱(ガラス繊維でできた支柱)の上部3段に電気牧柵を張ればサル対策となる。資材が安価で、自力で施行可能な点も特徴。