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タイトル 県北地域全体の看護職確保に取り組む
施策・事業名称 みまさかの看護の職場にきんちゃい2事業
都道府県名 岡山県
分野 健康福祉
事業実施期間 令和2年4月1日~令和5年3月31日
施策のポイント 行政、医療機関、看護協会、看護士養成学校が一体となって事業の企画・運営・評価を行うほか、若手看護職が当事者視点で事業に参画するなど、看護職確保という課題に、関係機関・団体が連携して取り組む。
内容 1 ソリューション開発に着手した経緯
岡山県美作地域は、全体の93%が中山間地域で、若い世代の多くが進学や就職を機に、地域外に転出する傾向がある。看護職においても、県内の他地域に比べ、確保率が低く、新人(採用後1年以内)の離職も高い※。小規模医療機関ほどその傾向が強く、慢性的な看護職不足に陥っている。
看護職不足による休床の増加やスタッフの高齢化等、安定した地域医療の提供体制にも影響を与えることが懸念されている。
こうした状況の中、新型コロナウイルス感染症の発生により、地域の看護職確保の重要性が改めてクローズアップされた。
※確保率(R1):全県104.0%に対し、美作地域(津山・英田圏域)89.3%
新人(採用後1年以内)離職率
(R1):全県7.2%に対し、美作地域(津山・英田圏域)12.3%
2 ソリューション開発の過程
事業の取組にあたっては、就職促進による「新たな人材の確保」に加え、「人材の地域への定着、離職防止」も目的とした。
地理的条件では他地域有利の状況において、人材確保に向けては、美作地域で働く魅力が実感できること、離職を防ぐには、就職前後のギャップを埋めること・将来の自分のキャリアをイメージできることが重要と考え、
当事者目線でリアルな情報を発信すること
事業に参画してもらう現職看護職にも好影響を与えること
を念頭に、事業内容を組み立てた。
【事業のポイント】
企画運営・評価:これまでも美作地域の医療・看護の課題解決に取り組んできた官民学が一体となった組織「地域の医療と看護を考える会」を活用し、この会が企画運営、実施事業の評価、中長期的視点での改善検討を行う。
・官:県
・民:民間病院の看護部長、看護協会支部長
・学:看護師養成学校教員
若手の参画:地域の若手看護職でサポートチームを構成し、当事者視点で事業へ提言。個別事業にも参画。 交流会では、現場のリアルを発信。事業に参画することで、地域医療を担う将来の中核人材として育成することにもつなげる。
交流会開催:地域の看護職と看護学生との交流会及び新人医療従事者同士での交流会を開催し、絆を深める。
【これからの展開】
令和4年度は、看護師養成学科を持つ学校の文化祭等に就職相談ブースを設け、直接就職相談を受けるほか、出前事業として中学生や看護学科以外の高校生へ看護の仕事を紹介し、進路選択を促すなど、アウトリーチ手法による新たな取組を進める。
3 直面した問題・課題、その解決方法
本来の看護業務が多忙を極める中で、現職の看護職に事業に参画してもらうには、医療機関の理解・協力が不可欠である。
企画運営を外部委託することなく、官民学をメンバーとする既存の会で取組を進めたことで、従来からの顔の見える関係の中で、地域全体で看護職の人材確保を行う気運を維持・向上させることができた。
4 ソリューション完成後の成果や効果
〇新たな人材の確保
令和2年度に個別就活支援を行い、就職が決定した方の約9割が現在も就労を継続している(R3.10月現在)。
令和3年度は個別就活支援を行った方の3割が就職決定した。
〇人材の地域への定着、離職防止
事業に参画した若手看護職は、「看護をはじめとする医療の魅力を再認識した」「仕事に対するやりがいや意欲が高まった」「看護師不足の実態が分かり、自分にできることを考えた」等、自身の仕事に対する前向きな気付きを得る機会となっている。
若い世代が本事業に参加し、ともに地域課題に取り組むことは、職場を超えた繋がり・人脈が形成され、地域医療・看護の中核を担う人材育成としても期待される。
5 横展開に当たってのアドバイス
事業化するには、関係機関が看護職の確保を「地域課題」として認識を共有できていることが前提となる。事業化後は、一定期間取組を続けることで学生等に認識が広まり、就職先の選択肢になっていく。
外部委託による業務の効率化等は広報など一部にとどめ、企画運営など事業の根幹に係る部分は合議体組織で決定する仕組みが、本事業に適していると考える。
関連
ホームページ
https://mimasaka-kinchai.jp/
本件問合先 岡山県美作県民局健康福祉部保健課
0868-23-0148
mima-hoken@pref.okayama.lg.jp