宮崎県文化賞受賞者に「公益財団法人服部植物研究所」
宮崎県では、文化の向上発展に特に顕著な業績を有する個人や団体を顕彰することを目的として昭和25年に宮崎県文化賞を設立しており、今年度で69回を数えます。
受賞者は候補者を推薦で募集し、選考審査会による審査を経て決定され、今年度は学術部門において公益財団法人服部植物研究所(宮崎県日南市)が受賞しました。
服部植物研究所は、昭和21年に創設された世界で唯一コケ植物だけを専門に扱う研究機関であり、新種の発見や日本産蘚苔類を網羅するリストの作成・改訂など基盤情報の確立及び研究成果の公開により、本県のみならず国際的な学術文化の進展に寄与した功績が授賞理由となりました。
同研究所が発行する学術誌は国際的にも非常に高く評価されており、国際蘚苔類学会では、直近2年間で最も優秀な論文を発表したコケの研究者に対し、最も栄誉ある賞として、Hattori Prize(服部賞)を与えて顕彰しているほどです。
作成された日本産蘚苔類のリストや標本の写真などの研究資料は同研究所のホームページで閲覧することができ、また、開館時間であれば誰でも無料で同研究所を見学することが可能です。
コケは古くから日本庭園や盆栽などといった鑑賞用に広く利用され、最近ではコケテラリウムなど身近に楽しめるものとして人気が高まっており、同研究所でオリジナルのコケテラリウムが作れるイベントも開催しています。日南市を訪れた際は、ぜひ世界唯一の研究所を見学し、コケの魅力に触れてください。