都市河川等への対策の充実

 今年の夏は、全国的に局所的な集中豪雨による事故が相次いで起きました。兵庫県でも、六甲山から神戸の市街地に流れる都賀川で、10分間に水位が1.3mも上昇し、5名の方が亡くなりました。
 この地域は、谷崎潤一郎の小説『細雪』でも描かれているように、たびたび大水害に見舞われてきました。大雨が降ると、普段は水流の少ない川を一気に濁流が流れ下ります。それだけに、六甲山系には数多くの砂防堰堤や山麓部でのグリーンベルトなどが設けられ、治水能力を高めるための河川改修が行われています。その一方で、流水を流すだけでなく、もともと河川が持っていた生物や植物の共生空間をとりもどし、あわせて川に地域の人々が近づき、親しみ遊べる空間として、親水公園の整備も進めてきました。
 こうした中、発生した今回の事故を二度と繰り返さないために、親水性を有する表六甲(六甲山系の南側)の河川を対象に緊急点検を行い、必要な対策に取り組んでいます。一つは河川利用者に対して危険性の周知徹底を図るため、注意喚起の看板増設や啓発活動などを行っています。過去の体験を教訓として、危険意識を共有し引き継いでいくことも大切です。もう一つは、確実な避難を促すため、大雨警報等の気象情報と直結した警報システム(回転灯などによる警告)について検討し、その結果をもとに具体の整備を急ぐことにしています。
 このところ世界各地で風水害が頻発し、地球温暖化の影響も指摘されています。兵庫県では、「ひょうご治山・治水防災計画」を策定し、災害に強い森づくりを始め、森、山、川、海の流域全体の視点で自然環境や土地利用状況などを踏まえた総合的な対策を進めています。また、洪水、土砂災害、津波、高潮の4つの自然災害について、避難に必要な情報等を掲載した「CGハザードマップ」を県ホームページで公開し、県民の防災学習に役立てるなど、ソフト、ハード両面から対策を講じているところです。
 今月は、防災月間です。危険に対する予防策を持ちながら、暮らしの中で都市の貴重な水際空間をうまく活用するとともに、多発する風水害に対しては、自助、共助、公助による減災への取組みを一層強化し、安全・安心な兵庫を目指します。