全国に先駆け食品トレーサビリティガイドラインを策定へ

食品の産地偽装や中国製冷凍食品による食中毒など食品に関する事件が相次ぎ、全国的に食の安全安心に対する関心が高まっています。食品の安全性への信頼確保のためには、食品事故等が起こった時、迅速にその食品の流通経路が確認できる仕組みが欠かせません。そのため、兵庫県では全国に先駆け、県内のすべての食品事業者を対象に、食品の生産から加工、販売までの流通の遡及・追跡を可能とする「食品トレーサビリティ」のガイドラインについて、今夏までの策定を目指しています。
 昨年7月には、学識者、消費者代表、事業者代表及び関係団体代表で構成される「食の安全安心と食育審議会」に専門部会を設置し、トレーサビリティの推進について検討を始めました。
 これまで、BSE(牛海綿状脳症)問題を背景として、牛肉のみに法律でトレーサビリティが義務化されています。その他の食品については、流通形態が多種多様で、生産者や流通業界に混乱をきたす懸念があるとして、国による法規制は行われておらず、青果物や貝類、豚肉といった食品ごとの各種ガイドライン、手引き書により対応しています。
 そうした現状を踏まえ、食品の種類を問わず、生産から販売までの各事業者の仕入れ、出荷に関する記録管理を徹底することで、食品の移動を的確に把握する県独自のガイドラインづくりを進めており、3段階に分けてトレーサビリティのシステムを導入することを考えています。
 ステップ1では、各事業者が最低限行わなければならない記録として、仕入れと出荷の両方について「何を、いつ、どのくらい、誰に(誰から)」の情報を管理することから取組みを始めます。ステップ2では、さらに加工方法など記録する情報を充実させ、最終のステップ3では個々にどの原料をどの製品に使ったかが分かるようにし、徐々にステップアップを図ります。
 県内の各事業者がこれらのシステムをいち早く導入することにより、事故発生時の原因究明や製品の回収が迅速化し、被害の拡大を防ぐことができます。また、事業者自らが製品表示の裏付けを確保することができ、消費者の信頼を高めることにもつながります。本県が率先してこのガイドラインを作成、活用することにより、トレーサビリティの取組みが全国に波及することを期待しています。