東山魁夷作品「月宵」購入
香川県は、東山魁夷の本画「月宵」を3,300万円あまりで購入しました。「月宵」は、代表的シリーズ「青の風景」の最初に位置付けられる作品で、東山魁夷が戦後復員し、疎開していた落合村(山梨県)の家から見た風景を昭和23年に描いたものです。そこには、収穫を終えた後ののどかなの農村風景と淡い月明かりの空が描かれており、豊かな叙情性が深くたたえられています。
本県では、昨年10月に「香川県文化芸術振興計画」を作成し、戦略的重点事業として東山魁夷作品の収集を挙げていました。「月宵」が12月に東京で開催されたオークションに出品される情報を得て参加、落札し、昨年造成した文化芸術振興基金で購入しました。作品の一部を修復後、今年4月中旬から開催される「香川県立東山魁夷せとうち美術館」の春の特別展で展示することとしています。同美術館所蔵の本画はこれで5点となり、所蔵作品もリトグラフ、書、肖像画とあわせて303点となりました。
東山魁夷せとうち美術館は画伯の祖父が、香川県坂出市櫃石島の出身であることから、すみ夫人から寄贈を受けた270点あまりの版画作品を広く鑑賞してもらうため、平成17年4月に開館した美術館です。ライトグレー色の瀬戸大橋が眼の前に広がり、瀬戸内海の美しい自然に囲まれた心の癒しの場となる美術館となっています。
瀬戸大橋通行料金の割引が充実し、近くなった香川県に是非お立ち寄りください。
月宵(絹本彩色)縦104.2センチメートル 横151.5センチメートル