「ひろしま夏の芸術祭」を開催します!
広島県では今年8月10日から8月31日まで「ひろしま夏の芸術祭」を開催します。県民への優れた音楽や美術に触れる機会の提供やプロの芸術家によるアマチュアへの指導等を通じて、県全体の芸術基盤の底上げと裾野の拡大を図ることを目的に開催するものです。内容は、プロの音楽家や芸術家がアマチュア愛好家へのレッスンを県内8ヵ所で行うクラシックセミナーや美術館セミナー、県内のJR主要駅構内やデパートなどでプロやアマチュア奏者がミニコンサートを行う街角コンサート、さらに広島が誇る舞台芸術である神楽と中四国唯一のプロオーケストラ広島交響楽団が初めて共演するメインコンサートです。
先日このメインコンサートの制作記者発表が行われました。今回、作曲と企画構成に携っているエリザベト音楽大学の伴谷晃二教授を始め、広島交響楽団を指揮する秋山和慶氏、また、今回のコラボレーションのために新たに結成された北広島神楽団長の北広島町長など、制作に携わる主要メンバーが出席しました。
今回の異色コラボレーションはそもそも2003年ロシアのサンクトペテルブルグ市に建都300周年記念交流事業のため神楽と広響が派遣され、縁が生まれたのがきっかけです。一緒に舞台で共演することができたらきっと面白いのではないか――、それから5年、作曲家や指揮者、神楽団関係者等の間で温められてきたこの計画が実現に向け動き出しました。
本県の神楽は伝統芸能という領域にとどまらず、新たな舞台芸術としてもさまざまな挑戦を続けており、子どもからお年寄りまで大変人気が高く、本県の観光資源としても大きな役割を担っています。通常、大太鼓に小太鼓、手打鉦(てうちがね)と笛、この四つの楽器で奏でられる神楽囃子(かぐらばやし)に鬼や神等の口上や舞が、時に優雅に時に激しくリズムよく重なりあいます。
今回、神楽囃子に加えて、フルオーケストラの音楽が重なり、八岐大蛇を題材にした創作の物語を情緒豊かに表現します。世界初となるこの共演はまだまだ多くの難問をクリアしなければなりませんが、神楽とオーケストラの新しい魅力を広島から発信するため、交響楽団と神楽団が精一杯練習しています。広島の円熟した二つの舞台芸術の響演にどうぞご期待ください!
メインコンサートポスター 制作記者会見の様子