立山カルデラの白岩堰堤砂防施設、国重要文化財指定

 今年6月末、日本有数の急流河川・常願寺川の上流にある立山カルデラに築かれた白岩砂防堰堤が、「白岩堰堤砂防施設」の名称で、砂防施設として初めて国の重要文化財に指定されました。 
 同施設はセメントが本格的に使用され始めた時代に建設されたコンクリート造りの大規模な砂防堰堤で、副堰堤を合わせた総落差108m は砂防堰堤として国内一の高さを誇ります。指定の理由として、今なお富山平野を土砂災害から守り続けており、国土保全施設として歴史的に価値が高いことや、大型機械を駆使した大規模構造物群からなる複合砂防施設であり、近代砂防施設の一つの技術的到達点を示すものとして重要な点が挙げられています。
 同施設は、立山・黒部地域の世界文化遺産登録を目指し、県などが文化庁に提案した「立山・黒部―防災大国日本のモデル信仰・砂防・発電」で中核的な位置を占める文化資産であり、重文指定で資産内容が充実し、登録運動にとっても追い風となることが期待されます。立山砂防が、世界に広まった近代砂防技術発祥の地であることや、立山砂防の魅力を国内外に発信していきたいと思います。

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富山県教育委員会生涯学習・文化財室
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