みんなで支える子育て家庭~民間・町・県が連携した子育て支援住宅(県営坂地 区住宅整備事業)~

 公営住宅の対象としてきた低所得の世帯が10年間で約1.5倍となり、広島県でも公営住宅への入居希望者が増加傾向となっています。
 特に、現在の広島県の県営住宅入居者の平均世帯収入が200万円台である状況を見ると、子育てしようとする人たちにとって、低家賃である公営住宅への入居の可否は、生活を左右する大きな問題となります。
 こうした課題に対応するため、広島県では、広島市に隣接した坂町に町や民間事業者と協力して、子育て支援住宅「平成ケ浜住宅」を整備しました。
 坂町では、人口の停滞や高齢化の進行が課題となり、若者定住を目指して、県や民間企業と協力した市街地開発、企業や教育機関の誘致など、熱心な地域振興の取組みが進められており、県においても民間の資金やノウハウを活用して、効率的な住宅事業の運営が期待できるPFI事業を推進していたことから、民間事業者・町・県の協力事業が実現したものです。
 この事業は、「子育て世帯を中心とした地域に広がる複層的なコミュニティ形成」をコンセプトとして住戸計画や配置計画等にも配慮し県の公営住宅と坂町の特定公共賃貸住宅及び保育所を併設しています。 
 また、最大の特徴は、5年間を原則とした定期借家制度の導入です。
 この制度は、限られたストックで、多くの子育て世帯を支援することを目的に設けたものです。
 保育所では、一時保育・延長保育・地域子育て支援センター事業・乳児保育と特別保育事業を実施しており、常に満員であり、うち併設住宅からの児童は約8割と人気が高い状況です。
 また、地域子育て支援センターにおいては、施設開放や子育て相談で、年間利用者は約8,000人となっており、地域の子育て支援に貢献しています。
 さらに住宅に保育所を併設したことで、子どもの送迎が容易となり、働きながら子育てをしているお父さんやお母さんに非常に喜ばれています。
 低所得世帯の婚姻率の低さは、少子化対策の課題の一つであり、子育てを支える公営住宅の供給は、今後も重要になると考えています。

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住宅に併設した保育所