台風9号等被害からの生活再建に全力
8月9日、全国的に大きな被害を及ぼした台風9号に伴う大雨は、本県に人的被害を始め、広範囲に及ぶ市街地の浸水、河川、道路、鉄道、農地・農業用施設や農産物などに甚大な被害をもたらしました。
9月1日現在で判明している県内の被害状況は、死者20人、行方不明者2人、負傷者7人、全・半壊1,112棟、床上・床下浸水2,003棟に及んでいます。しかも、床上といっても全く異なる事態で、軒下や軒までの浸水です。
県では、災害対策本部を設置し、自衛隊の災害派遣を要請するとともに、消防防災ヘリコプターによる孤立した要救助者の救出、飲料水、食料等救援物資の手配を行うなど、関係機関と連携して救援活動を展開。また、特に被害の大きかった佐用郡佐用町、宍粟市及び朝来市に対し災害救助法を、県内全域に被災者生活再建支援法を適用しました。二次災害に備え、応急の護岸工事や道路の復旧作業を急ぐとともに、新たに「災害復興室」を設置し、関係部局及び地方機関が一丸となって、災害からの早期復旧に全力を挙げています。
さらに、義援金の呼びかけのほか、災害ボランティアや県内市町の協力という大きな後押しも得て、被災した住宅の片づけや災害ごみの回収など、一日も早い被災者の方々の生活再建を進めています。
今後は、被災住宅への支援金や県税の軽減措置、被災中小企業者に対する金融支援など、被災者の方々の生活や事業の再建を後押しする復興支援策も講じていきます。加えて、平成17年に創設した兵庫県独自の住宅再建共済制度(フェニックス共済)の共済給付金が初めて支給されます。フェニックス共済は、阪神・淡路大震災の教訓から生まれた「共助」の仕組みで、貯蓄・地震保険などの「自助」や、公的支援「公助」の限界を埋める、新しい形の被災住宅の再建を支援する制度です。年間5,000円の掛け金で、全半壊住宅には最高600万円が支給され、生活再建に役立てられます。
ご支援をいただいている関係機関やボランティアの皆さまに感謝申し上げますとともに、今後の復興に向けた取組みについて、さらなるご理解とご協力をお願いします。