県民みんなで支える岩手の地域医療推進プロジェクトの展開

 岩手県では、医師不足を背景とし、病院勤務医の減少など大変厳しい地域医療の状況の中で、県民と医療機関、行政が一体となって地域医療体制づくりを進める「県民みんなで支える岩手の地域医療推進プロジェクト」を平成20年度から展開しています。
 これまで医療の問題は、医療機関や医療従事者など主に医療提供者からの視点で議論されてきましたが、このプロジェクトでは、地域の医療を守るために、医療を受ける県民も医療の担い手という意識を持って、医療従事者との信頼関係の構築や医療機関の役割に応じた適正な受診などの行動を通じて、地域医療の確保を目指したものです。
 具体的には、県内保健医療関係団体や産業界、学校関係団体、行政などが参画した「県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議」を設置し、各機関が連携した取組みを強力に推進するとともに、新聞やテレビ、県政広報誌などさまざまな広報媒体を活用した意識啓発、保健医療圏単位での地域医療シンポジウムの開催や地域版リーフレットの作成、地元市町村と連携した「出前講座」などにより県民への浸透を図ってきたところです。
 プロジェクト展開の結果として、県民意識調査では「大病院志向の改善」や「医療機関の役割分担の認知度の高まり」が見られ、県立病院における救急患者数は減少傾向になるなど、徐々にではありますが、県民の意識や行動の変化につながってきているのではないかと考えています。また、これとあわせて、病院を支えようという地域での気運が高まり、住民による自主的な活動組織が結成され、県内各地に拡がってきています。
 今後も、住民の活動を大切にしながら、地域に密着している市町村との連携を強くし、地域の実情に即した取組みが地域から湧き上がるような、新たなステージに向けて取組みを展開していきます。

お問い合わせ
岩手県保健福祉部医療推進課
電話番号 019-629-5416

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「地域医療シンポジウム」における住民活動団体からの発表の様子