ドクターヘリが運航を開始しました

 高知県は、東西・南北に長く、また中山間地域を中心とする過疎地域では、無医地区が多く、急速に高齢化が進行しています。また、医師不足により郡部における救急医療の確保が非常に困難になっており、近年では医療圏域を超えた救急搬送件数が増加していました。
 このような背景を踏まえ、本県では、平成16年度から県消防防災ヘリに医師を搭乗させて現場出動する「ドクターヘリ的運用」を行ってきました。
 しかし、消防防災ヘリは、救急活動のほかにも、救助活動や火災防御活動、災害応急対策活動などの役割があり、これらへの出動時や、毎年行われる耐空検査による運航休止期間があるといった一定の制約の中で業務を行ってきました。
 このため、県では新たなヘリコプターシステムの導入を検討することとし、平成21 年度に有識者らによる「高知県ドクターヘリ導入検討委員会」を設置、6回にわたり調査、検討を行いました。その結果、「ドクターヘリの導入が現実的」との報告を受け、ドクターヘリの導入を決定しました。
 平成22年9月に基地病院を高知県・高知市病院企業団立高知医療センターに定めて以降、ランデブーポイントの調査や、県内の消防本部と連携訓練を行うなど、平成23年3月の運航開始に向け準備を行ってきました。
 運用開始直前の3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生。3月12日早朝、その支援のためドクターヘリはDMATとともに、緊急出動しました。14日まで岩手県の花巻空港を拠点に本県の消防防災ヘリや他県のドクターヘリと連携して、重症患者の救命活動に従事しました。高知県へ戻り、3月16日から県内での運航を開始しました。
 本県のドクターヘリは、機体にアンパンマンをデザインしたほか、愛称も募集するなど、ドクターヘリに親しみを持っていただき、県民がドクターヘリ事業にご協力いただけるよう取り組んでいます。
 また、23年度は、ドクターヘリの導入を契機に、救急医療機関の役割分担や相互協力、最適な搬送先や搬送手段の選定などについて、医療機関や消防機関などと協議を加速しながら、ドクターヘリ、消防防災ヘリ、ドクターカーなどを活用した県全体の救急医療体制の構築について検討を進めていくこととしています。

お問合せ
高知県健康政策部医療政策・医師確保課
電話番号 088-823-9667
ドクターヘリHP
http://www2.khsc.or.jp/kyumei-kyukyu/heli-top.htm

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