病院と近くのお医者さんが連携・協力して患者さんを治療するしくみができました!
奈良県では、医療関係者と行政とが協働して、病院と診療所が連携・協力して治療するしくみ「虚血性心疾患地域連携パス」を構築しました。7月から中南部地域において先行運用を始めています。
「虚血性心疾患地域連携パス」とは
病院で急性心筋梗塞・狭心症の治療をした後、地域の診療所と役割分担して、互いに連携して患者さんを治療する「しくみ」のことです。
具体的には、1.緊急検査やカテーテル治療を行った病院が、「地域連携パス」と呼ばれる情報共有のための治療計画表を作成します。2.患者さんが経過観察の段階になれば、病院はその「地域連携パス」を、患者さんの家の近くの診療所に引き渡すことで情報提供します。3.その診療所は、「地域連携パス」を再び病院に引き渡すことによって、診療経過を病院に報告します。これら一連の流れによって、病院と診療所が患者さんの情報を共有し、互いに役割分担しつつ、一貫した治療を行うことができます。
背景と目的
急性心筋梗塞や狭心症といった、個々の病院では十分な医療を提供できない救急疾患においては、一部の大きな医療機関に患者さんが集中することになります。しかし、近くの診療所で対応可能な経過観察の段階に至っても、病院と診療所とが十分に連携できていないと、患者さんは安心して診療所の方に移ることはできません。
今回の「虚血性心疾患地域連携パス」では、病院と診療所とが連携・協力して治療するしくみをつくることで、患者さんが遠くの病院まで行かなくとも、安心して身近な医師に日頃から相談・受診できるようになることが目的です。
また、診療所においても、患者さんがどのような状態で転院してくるか予め把握できるので、重複した検査をせずに済むなど、効果的な治療を始めることができます。
今後
7月から奈良県中南部地域において始めている先行運用の結果を踏まえて、今後県内全域にこのしくみを拡大していきます。また、他の4大疾病であるがんや脳卒中、糖尿病についても、連携のしくみをつくっていく予定です。
お問合せ
奈良県医療政策部地域医療連携課
電話番号 0742-27-8935
急性心筋梗塞の取り組み状況(虚血性心疾患地域連携パス)HP
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-24757.htm