盆栽の魅力に触れる
松盆栽に向き合うと、そこに様々な情景が見えます。瀬戸内海の波の音、爽やかな風、山の木々の香り、そこに暮らす人々の歴史などが感じられます。盆栽から見える、感じられる景色こそが、盆栽の魅力の一つだと言います。
松盆栽の生産量が日本一の香川県。高松市の西部に位置する鬼無町と国分寺町は、その松盆栽の主な生産地として知られています。あちらこちらに見事な盆栽の鉢がずらりと並べられているだけでなく、一面に盆栽の苗が植えられた畑が見られ、香川ならではの景色が広がります。畑に植えられた小さな松を眺めていると、まるでミニチュアの世界に入り込んだような不思議な感覚に。鬼無町には「盆栽通り」が、国分寺町には日本で唯一の「盆栽神社」があり、盆栽の町らしさがそこここに表れています。
本県の盆栽の歴史は古く、江戸時代までさかのぼります。小山や海辺にあった姿の良い松を鉢に植えて、枝ぶりを整えて販売したのが始まりと言われます。松盆栽に適した自然条件が整い、せん定や接木(つぎき) 、針金を用いた整枝といった地元で古くから培われた技にも支えられ、香川県で盆栽が飛躍的に発展してきました。黒松や錦松、五葉松のほか、15年の歳月をかけて錦松の優良品種「夢錦」が誕生しました。先人たちの努力のお陰で、名品と言われる見事な松が並びます。大切に育まれ、代々受け継がれる盆栽が今の私たちに、そして未来にも感動を与えてくれることでしょう。
この秋、11月18日から21日までの4日間、日本で初めて「第11回アジア太平洋盆栽水石高松大会」がサンポート高松を始め、栗林公園や玉藻公園などを会場に開催されます。第1回大会がインドネシアで始まり、20年目の今回、香川県に世界各国から多くの方が集い、盆栽の技が披露されます。
「BONSAI」が世界共通語となっている今、脈々と受け継がれる香川の巧みな技を、これからも世界に発信し続け、更に多くの盆栽ファンが増えることを期待しています。
是非今秋は、香川県へお越しいただき、じっくりゆっくり盆栽をご覧ください。
【お問合せ】
香川県農業生産流通課
電話番号 087-832-3422
アジア太平洋盆栽水石大会高松実行委員会事務局
電話番号 087-813-1787
HP http://www.aspac-takamatsu.jp
第11回アジア太平洋盆栽水石高松大会
※1日鑑賞券の前売り券800円(当日1,000円)を全国 の主なコンビニエンスストアで発売中(11月10日まで)