広島発「凍結含浸技術」による高齢者介護食の実現
いつまでも、「食べる」楽しみを味わいたい。広島県立総合技術研究所ではそんな介護現場の要望に応え、「凍結含浸技術」によって、食べやすい軟らかさでありながら、食品の色や形をそのままに保つことに成功しました。
凍結含浸技術は、広島県が独自に開発した技術(特許取得済)です。食材を凍結・解凍した後、減圧下で酵素をしみ込ませることで、硬さを自由に調整できます。同時に、栄養分の強化や味付けも可能となります。流動食と違って、食材の味も見た目も損なわないので、食べる楽しさを感じることができます。噛む力が弱くなった高齢者の方にとって、食事の選択肢を広げる画期的な技術となりました。
平成20年度から所長プロジェクトとして開発・普及を推し進め、当初は数種類の野菜類だけだった食材の適用範囲を、現在、魚介類・肉類を含む102 種類にまで充実させています。また、調理工程の簡便化も進み、専用設備のない施設等の厨房においても凍結含浸技術を利用した食事を提供できるようになりました。
現在、県内外の企業や介護施設、病院等で、凍結含浸技術を活用した新しい医療食、介護用食品や関連商品の開発が進行中です。
【お問合せ】
広島県立総合技術研究所企画部
電話番号 082-223-1200