カツオのすり身&カツオスイーツの誕生!!

 冷凍カツオの水揚げ量日本一を誇る焼津漁港周辺ではカツオを原料とした様々な加工品が製造されていますが、加工の際には製品以外の未利用部位(頭・内臓など)が大量に出ます。冷凍カツオを刺身用のロイン(魚を四つに分け節状にしたもの)に加工する際に大量に出る「削り粉」は、鮮度良好で、その上栄養価の高い血合肉を豊富に含んでいますが、鮮度低下が速い、骨や皮などが多く含まれているなどの理由から、ほとんどが飼料や肥料の材料となっています。
 そこで、水産技術研究所では、削り粉の鮮度が低下する前に迅速にすり身を製造する技術を開発し、その実用化を目指しました。加工工程から出た「削り粉」を採肉機にかけて大きな骨や皮を除いた後、細かく粉砕しながら強力に攪拌して遠心脱水することで臭みのないすり身を製造することが可能になりました。さらに、その後の研究で、このすり身を150度で加熱すると臭いがほとんどなくなることが分かり(図1)、カツオすり身を使ったスイーツ「鰹かりんとう」(図2)を菓子メーカーと共同で開発しました。
 この「鰹かりんとう」はカツオすり身を原料の3分の1配合していますが、魚臭さがまったく感じられないスイーツに仕上がっています。皆さんも是非一度御賞味ください。(共同開発した焼津の菓子メーカー「かしはる」で販売中)


お問合せ
静岡県水産技術研究所 
電話番号054-627-1818